アラビア語を学ぶべきか——ドバイで英語だけで生活できる現実と、学ぶ価値
ドバイでは英語が日常的に通用し、アラビア語を話せなくても生活できる。でも「せっかくアラブ圏に住んでいるのにもったいない」という感覚もある。現実的な学習必要度と、学ぶことで開ける扉を考える。
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「ドバイに住むのにアラビア語は必要ですか?」——これはドバイ移住を考える日本人からよく出る質問だ。
答えは「英語だけで問題ない」だが、それで全部は語れない。
英語だけで生活できる現実
ドバイでは英語が事実上の共通言語として機能している。政府機関・医療・学校・ビジネス・ショッピングモール——ほぼすべての場面で英語が通じる。
UAE人口の約90%が外国人だという状況(推定)が、英語を共通語として成立させている。アラビア語はエミラティが話す言語であり、外国人同士の会話の言語ではない。
アラビア語を学ぶことで変わること
英語で生活できるとわかった上で「それでもアラビア語を学ぶ意味はあるか」を考えると、いくつかの価値が浮かぶ。
エミラティとの関係: 数語のアラビア語(「マルハバ(こんにちは)」「シュクラン(ありがとう)」「アイン(はい)」)を使うと、エミラティや南アジア系の人々の表情が変わることがある。言語への敬意は、文化への敬意として伝わる。
仕事でのアドバンテージ: アラブ系企業・政府機関との取引では、アラビア語ができる人材が評価されることがある。完璧でなくても、「学ぼうとしている姿勢」が評価されるケースもある。
中東・北アフリカ圏での拡張性: アラビア語はアラブ連盟22カ国で使われる言語だ。方言の差はあるが、標準アラビア語(フスハー)を習得すると、広い地域で読み書きが通用する。
学習の難しさ
アラビア語は日本語話者にとって習得難易度が高い言語のひとつとされる(アメリカ外務省の外国語難易度調査では「カテゴリーIV」)。
右から左に書く文字体系、語根(三子音語根)に基づく語彙構造、複雑な動詞変化——短期間で会話レベルに到達するのは難しい。
「日常会話レベルの方言アラビア語(アンミーヤ)」と「書き言葉のフスハー」が異なるため、どちらを優先するかという問題もある。
現実的な選択
「ビジネス・生活には英語で十分、アラビア語は趣味・教養として少しずつ」という方針で在住者の多くはうまく付き合っている。
ドバイに住んでいる間に学べる語学は、アラビア語より「ヒンディー語の挨拶」「タガログ語の一言」の方が、日々の生活で役立つ頻度が高いという人もいる。
言語を通じて文化に触れる姿勢そのものが、多文化都市での生活を豊かにする。