ラマダン中の仕事と生活——断食月に外国人がどう振る舞うべきか
UAEのラマダン期間中は労働時間の短縮・公共での飲食禁止・夜型生活など独特のルールがある。外国人として守るべきマナーと生活上の変化を解説。
ラマダン(断食月)はイスラム暦の9番目の月で、毎年日付が変わる(太陰暦のため、グレゴリオ暦では毎年11日ほど前倒しになる)。UAEでは国全体の生活リズムが変わる期間だ。
外国人がこの時期を「戸惑いながら過ごす」か「UAEの文化の深い部分に触れる」かは、事前の理解次第で大きく変わる。
ラマダン中のルールと変化
公共の場での飲食・喫煙禁止
ラマダン中は日の出から日没まで、公共の場での飲食・喫煙は法律で禁止されている。車の中での飲食も禁止の対象になる。違反した場合は罰金の対象になり得る(罰金額はAED 2,000〜または拘留)。
飲食が許されるのはレストランやカフェの中(ただし多くは窓を覆って外から見えないよう仕切られる)と、自宅の中。
労働時間の短縮
UAEの労働法はラマダン中、ムスリム従業員の労働時間を1日2時間短縮することを義務づけている。非ムスリムの外国人従業員にも適用されるケースが多く、実質的に職場全体が短縮スケジュールで動く。
夜型へのシフト
日没後のイフタール(断食明けの食事)で街が賑わう。レストランは深夜まで開き、ショッピングモールは夜遅くまで営業する。在住外国人も自然と夜型の生活リズムになることが多い。
外国人として守るべきマナー
① 公共の場での食事・飲水を避ける
ビジネスミーティング中も、屋外でのコーヒーカップは避けるのが礼儀。水分補給は人目のない場所(オフィスの自席・トイレ等)で行うのが実態だ。
② 服装に注意
ラマダン中は通常より保守的な服装が求められる。女性は肩・膝を覆う服装が望ましい。ショッピングモール等でも、普段より露出の少ない服装がマナーとして受け入れられやすい。
③ 大きな音・音楽への配慮
公共の場での大きな音・音楽は控えるのが慣習。特に日の出〜日没中の時間帯は、騒がしい行動を避ける。
イフタールの招待——外国人にとっての文化体験
ラマダン中にムスリムの同僚・ビジネスパートナーからイフタールへの招待を受けることがある。これは重要な文化的交流の機会だ。
イフタールの席では、日没の時刻にナツメヤシと水でまず断食を明け、その後本格的な食事が始まる。香辛料の効いた豊かな料理が並ぶことが多く、家族・友人が集まる温かい空間だ。外国人ゲストも同席して一緒に食事することは歓迎される。
招待された場合は時間通りに行き、食べ始めの「ビスミッラー(神の名において)」を聞いてから食事を開始するのが礼儀だ。
ラマダン後——イードの連休
ラマダン終了後の3日間は「イードアルフィトル(断食明け祭)」として公祝日になる。UAEの多くの企業・機関がこの期間に数日間の連休を取る。ビジネスのスケジュールはラマダン前後を含めて約1か月間、通常より動きが遅くなることを想定しておくと良い。