UAEの食文化——200以上の国籍が共存するグルメ事情
UAEには200以上の国籍の住民が暮らし、その多様性が食文化にそのまま反映されている。ローカルのエミラティ料理からインド・レバノン・日本食まで、ドバイ・アブダビの食事情を解説する。
この記事の日本円換算は、1AED≒41円で計算しています(2026年4月時点)。
ドバイに住み始めて最初に驚くのは、食の多様性だ。ショッピングモールのフードコートに入ると、インド料理・レバノン料理・フィリピン料理・日本料理・アメリカンバーガーが一列に並んでいる。UAEの人口の約89%は外国人であり、食文化もその構成をそのまま反映している。
エミラティ料理(UAE本来の食文化)
UAE市民(エミラティ)が食べるローカル料理は、外から来た人には見つけにくい。高級ホテルやモール内の観光向けレストランでないと体験しにくい。
代表的なエミラティ料理:
- マチブース(Machboos): スパイスで炊き込んだご飯にラムまたはチキンを乗せた料理。ビリヤニに似た見た目だが香りと炊き方が異なる
- ハリス(Harees): 小麦とラム肉をゆっくり煮込んだポリッジ状の料理。ラマダン期間中によく食べられる
- ルグマット(Luqaimat): 揚げたドーナツにデーツシロップをかけた伝統的な甘いスナック
- コフタ(Kofta): 中東全般に共通するスパイスミートボール
エミラティ家庭料理に触れる機会を作るなら、UAEのローカルフードフェスティバル(Al Hosn Festival等)やエミラティ経営のローカルレストランを探してみる価値がある。
外国人コミュニティが形成する食文化
インド料理: UAE居住外国人の最大グループはインド系(推計約200万人)。そのためインド料理レストランは数が最も多い。ケーララ州出身者が多いためケーラリアン料理が充実。ランチセット(ターリー)はAED15〜30(約620〜1,230円)と手頃だ。
レバノン・中東料理: アラブ圏からの住民が多く、フムス・シャワルマ・タブーリがどこでも手に入る。シャワルマ1個はAED5〜15(約205〜615円)で、最も手頃な外食のひとつだ。
フィリピン料理: 家事サービス・医療職・ホスピタリティ分野に多いフィリピン人労働者向けに、デイラ(Deira)エリアを中心にフィリピン料理店が集まる。
日本料理: ショッピングモール内に寿司チェーン・ラーメン店・居酒屋が複数展開している。価格はAED60〜200(約2,460〜8,200円)の幅がある。
アルコールと食文化
UAEはイスラム国家だが、外国人向けにアルコール提供が認められている。ただしライセンスを持つ施設(ホテルのバー・レストラン・一部のクラブ)でのみ合法だ。
路上・公共の場での飲酒は違法。ラマダン期間中は昼間の飲食・喫煙が公共の場では制限される。
アルコールなしで楽しめる飲食の選択肢は非常に多く、カフェ文化・新鮮なフルーツジュース・ラクダのミルク(カミール)など、ノンアルコール文化が豊かだ。
日本食材の入手
LuLu Hypermarket: 全国チェーンのスーパー。日本の食材コーナーがあり、醤油・みりん・インスタント麺が買える。
KinoKuniya(Emaar系書店内): 紀伊國屋書店ドバイ店に隣接した日本食材コーナー。
アオキ・JMART(ドバイ): 日系のスーパー。価格は高めだが品揃えが良い。
食の多様性はUAEの在住体験の大きな魅力のひとつだ。ただしアルコール規制とハラル基準の理解は、外食・買い物を快適にするための基本になる。