フジャイラはUAEで唯一、ペルシャ湾に面していない首長国だ
7つの首長国の中で最も知名度が低いフジャイラ。オマーン湾に面した東海岸は、ドバイやアブダビとは別の静かなUAEを見せてくれる。山と海と素潜りの暮らしを紹介する。
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UAEと聞いて思い浮かぶのは、ドバイの超高層ビル群か、アブダビのルーヴル美術館だろう。フジャイラの名前が出てくる人は少ない。
フジャイラ首長国はUAEの東海岸に位置し、7つの首長国の中で唯一ペルシャ湾に面していない。代わりにオマーン湾(アラビア海の一部)に面している。面積約1,165km²(東京都の約半分)、人口約26万人。ドバイから車で約1.5〜2時間。ハジャル山脈を越えた先にある。
山と海の間
ドバイからフジャイラに向かうと、風景が劇的に変わる。
砂漠の平地からハジャル山脈(UAE最高峰のジェベル・ジャイス、標高1,934m)の岩山に入り、乾いた渓谷(ワディ)を抜けると、突然オマーン湾の青い海が広がる。ペルシャ湾側のドバイの海が浅く穏やかなのに対し、オマーン湾側は海流が強く、水の透明度が高い。
この海の違いが、フジャイラの最大の資産だ。
ダイビングとシュノーケリング
フジャイラの東海岸はUAEで最も良いダイビングスポットとされている。スヌーピー・アイランド(Al Aqah Beach沖のスヌーピーに似た形の岩礁)は、シュノーケリングの定番スポットだ。
海水温は年間を通じて22〜32度。冬でもウェットスーツで潜れる。ウミガメ、サメ(ブラックチップリーフシャーク等)、サンゴ礁が見られる。ペルシャ湾側は夏場に水温が36度以上に上がりサンゴが白化しやすいが、オマーン湾側は比較的水温が安定している。
ダイビングショップはフジャイラやディッバ(Dibba、フジャイラ北部の町)に数軒あり、体験ダイビングは1回200〜350AED(約8,400〜14,700円)。ライセンス取得コース(PADIオープンウォーター)は1,500〜2,500AED(約63,000〜105,000円)。
静かなUAE
フジャイラの魅力は、ドバイの対極にある。
高層ビルがほとんどない。ナイトクラブはない。ラグジュアリーモールはない。代わりにあるのは、岩山と海と古い砦(フジャイラ・フォート、16世紀築)と、金曜マーケットだ。
金曜マーケット(Friday Market)はドバイとフジャイラの間のハジャル山脈中にある屋外市場で、陶器、カーペット、植木、果物が売られている。ドバイからのドライブの途中に立ち寄る定番スポットだ。
フジャイラには温泉もある。アル・アインに近いハジャル山脈の麓に天然温泉(Ain Al Ghamour)があり、硫黄の匂いがする——日本の温泉を連想させる。
生活費とタイの存在
フジャイラの家賃はドバイの半額以下だ。
| タイプ | 年間賃料 | 月換算 |
|---|---|---|
| 1ベッドルームアパート | 15,000〜25,000 AED | 約52,500〜87,500円 |
| 2ベッドルームアパート | 25,000〜40,000 AED | 約87,500〜14万円 |
| ヴィラ(3ベッドルーム) | 40,000〜70,000 AED | 約14〜24.5万円 |
ドバイでは同等の物件が3〜5倍の家賃になる。フジャイラに住んでドバイに通勤する人も一定数いる。ただし片道1.5〜2時間の通勤は楽ではない。
フジャイラの特徴として、港湾施設の存在がある。フジャイラ港はペルシャ湾に入る前のホルムズ海峡の外側にあり、地政学的に重要な石油貯蔵・輸出拠点だ。エネルギー業界で働く外国人が一定数住んでいる。
在住日本人にとってのフジャイラ
フジャイラに住む日本人はごく少数だが、ドバイ在住の日本人がフジャイラに「日帰り旅行」で行くケースは多い。
ドバイの砂漠と高層ビルに疲れたとき、フジャイラの山と海は良いリセットになる。朝8時にドバイを出発し、10時にスヌーピー・アイランドでシュノーケリング、昼にフジャイラの海鮮レストランで魚を食べ、午後に金曜マーケットに立ち寄って夕方にドバイに帰る——週末の定番コースだ。
UAEは砂漠だけではない、ということをフジャイラは教えてくれる。
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