ドバイのモール経済:ショッピングモールが都市インフラになるまで
ドバイ・モール、モール・オブ・ジ・エミレーツなど超大型モールが生活インフラとして機能するドバイの経済構造と、在住者の日常を解説。
この記事の日本円換算は、1AED≒41円で計算しています(2026年4月時点)。
ドバイ・モール(Dubai Mall)の年間来場者数は約10億人——これは実際に発表されている数字だ(2023年頃の公式発表ベース)。同モールの延床面積は約111万㎡で、世界最大級のショッピングモールの一つとされる。水族館・スケートリンク・映画館・フードコート・世界中のラグジュアリーブランドが一つ屋根の下にある。
これはドバイ観光の名所である以前に、在住者にとっての日常インフラだ。
モールが生活インフラである理由
UAEの夏(5〜9月)は屋外活動が困難なため、エアコンの効いたモールが実質的な「公共空間」になる。公園・広場の代わりにモールが家族のレジャー空間を担っている。
子どものプレイエリア、映画館、レストラン、スーパーマーケット——「モールに行けば何でもある」という設計が徹底されており、一日モールで過ごすことが特別ではない。
ラグジュアリーブランドの集積
ドバイはラグジュアリー消費の中心地の一つだ。ルイ・ヴィトン、シャネル、グッチ、エルメス——全メジャーブランドがドバイ・モールやモール・オブ・ジ・エミレーツに揃っている。
UAEに所得税がない分、購買力の高い在住者・観光客が高額消費に回す余裕がある。また中東・南アジア・アフリカから訪れる富裕層観光客がドバイを「買い物の街」として認識し、消費を支えている。
日用品の意外な高コスト
ラグジュアリーの一方で、食料品・日用品は高い。輸入品が多く関税コストが乗るため、スーパーでの日常的な買い物は日本より割高になりやすい。
野菜・果物はカルフール(Carrefour)やスピニーズ(Spinneys)で購入するが、日本産・韓国産の食品は特に高額だ。日本の醤油・みそ・だしなどは現地でも入手できるが、日本国内の2〜4倍の価格になることがある。
フードコートの多国籍性
モールのフードコートは、UAEの多国籍人口を反映して、アラブ料理・インド料理・フィリピン料理・日本料理・韓国料理・ファストフードが並んでいる。価格は1食30〜80AED(1,230〜3,280円)程度と、同規模の都市の外食と比べると高め。
日系のチェーン(吉野家、大戸屋等)もドバイのモールに進出しており、日本人には馴染みのある選択肢として機能している。