UAEでメイド・ナニーを雇う全手順——ビザ・契約・費用のリアル
UAEでは住み込みメイドやナニーの雇用が一般的。MOHRE経由のビザ取得、Tadbeerセンターでの契約、月給相場AED 1,500〜3,500、保険・休日の法的義務まで全手順を解説。
この記事の日本円換算は、1AED≒42円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(AED)の金額を基準にしてください。
ドバイで子育てをしている駐在員家庭の多くが、住み込みのメイドやナニーを雇っている。「メイドを雇う」と聞くと富裕層の話に聞こえるが、UAEではミドルクラスの標準だ。月給AED 1,500〜3,500(約63,000〜147,000円)で、フルタイムの家事・育児サポートが得られる。
雇用の方法は2つ
1. Tadbeerセンター経由(推奨): 政府認定の家事労働者紹介センター。2017年にMOHRE(人的資源・エミラティ化省)が導入した制度で、身元確認・健康診断済みの労働者を紹介してもらえる。トラブル時の仲介、試用期間(通常14日間)での交代も可能。紹介手数料はAED 5,000〜8,000(約210,000〜336,000円)で、ビザ費用・健康診断費用が含まれることが多い。
2. 個人で直接雇用: すでにUAEにいる家事労働者を知人の紹介などで雇う方法。ビザのスポンサーシップを自分で行う必要がある。
ビザ取得の手順
- MOHRE申請: スポンサー(雇用主)として家事労働者ビザをオンライン申請
- 健康診断: 指定医療機関でのメディカルチェック(結核・HIV等)
- Emirates ID: 生体認証の登録
- 労働契約書: アラビア語+英語の二言語契約書。MOHRE標準フォーマットを使用
ビザ費用の合計はAED 5,000〜7,000(約210,000〜294,000円)程度。更新は2年ごと。
法的義務(雇用主側)
UAE労働法(Federal Decree Law No. 9 of 2022に基づく家事労働者規定)では:
- 月給: 契約書に明記。銀行振込(WPS経由)が推奨される
- 休日: 週1日の休日が義務
- 年次休暇: 年30日の有給休暇
- 航空券: 2年ごとに母国への往復航空券を雇用主が負担
- 医療保険: 雇用主が提供する義務がある(ドバイ・アブダビ)
- 食事・住居: 住み込みの場合、個室と食事を提供する義務
- パスポート保管: 労働者のパスポートを雇用主が預かることは違法
パスポート没収は国際的に問題視されてきたKafala制度の負の側面だ。現在のUAE法では明確に禁止されている。
月給の相場
国籍と経験で大きく異なる:
- フィリピン人(英語可・経験豊富): AED 2,500〜3,500(約105,000〜147,000円)
- エチオピア人: AED 1,500〜2,000(約63,000〜84,000円)
- インドネシア人: AED 1,800〜2,500(約75,600〜105,000円)
英語力・料理スキル・育児経験で上下する。日本食を作れるフィリピン人ナニーは日系家庭に人気があり、相場より高くなる傾向がある。
日本人家庭が気をつけること
- 言語: 子どもへの英語教育を兼ねて英語話者のナニーを選ぶ家庭が多い
- 食事の好み: 和食の調理を求める場合、最初に教える時間を確保する
- 文化の違い: 掃除の基準、整理整頓の感覚は文化圏で異なる。最初の1ヶ月は丁寧にすり合わせる
- 契約終了時: 30日前通知が原則。解雇の場合、残りのビザ期間に応じたグラチュイティ(退職金)を支払う義務がある
月AED 2,500(約105,000円)で毎日の掃除・洗濯・料理・子どもの送り迎えがカバーされる。東京でベビーシッターを月20日頼む費用を考えれば、UAEの家事労働者雇用は合理的な選択肢だ。