ドバイで子どもを育てるということ——外国人保護者が直面する教育・文化・帰属の問題
ドバイで生まれ育った外国人の子どもは、どこの国の人間になるのか。インターナショナルスクール・アラビア語義務教育・宗教教育——子育て環境の実態と保護者の選択を探る。
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ドバイで生まれた外国人の子どもは、UAEの国籍は得られない。どれだけ長く住んでも、父母の国籍が子どもの国籍になる(出生地主義ではなく血統主義)。
「自分が育った国の国籍を持てない」という感覚は、子どもが成長してから初めて実感することが多い。
インターナショナルスクールの選択
外国人家庭の多くはインターナショナルスクールを選ぶ。英国式・アメリカ式・フランス式・インド式(CBSE)・日本人学校など、様々なカリキュラムの学校がある。
学費は年間50,000〜120,000AED(約205〜492万円)と幅広い。学校の格と評判が直接学費に反映されており、人気校への入学競争もある(各学校の公開情報より)。
UAEの教育規制機関(KHDAなど)がすべての学校を定期的に評価・格付けし、結果は公開されている。
アラビア語教育の義務
UAEではKHDAによる規制のもと、私立学校でもアラビア語の授業が義務付けられている。外国人の子どもも一定のアラビア語学習が必要だ。
実際にアラビア語が読み書きできるレベルになる外国人の子どもはそれほど多くないが、文化的な接触として機能する。
TCK(サードカルチャーキッズ)という経験
複数の国・文化間で育った子どもを「TCK(Third Culture Kid)」と呼ぶ。「自分はどこの人間か」という問いを内包したまま成長する。
「日本にいると外国人扱いされて、ドバイに戻っても外国人」——長期在住の日本人家庭の子どもがそう話す場面がある。
TCKの経験は、高い文化的柔軟性・複数言語能力・広いネットワーキング能力を生む一方で、「帰属感のなさ」という課題も持つ。どちらが大きいかは、個人の経験・サポート環境によって大きく異なる。
日本人学校と国際教育のはざま
ドバイには日本人学校(義務教育段階)が存在する。日本のカリキュラムに沿って教育を受けられる環境だ。
「帰国を前提に日本語・日本式教育を維持したい」という選択と、「長期滞在・現地での将来を見据えてインターナショナルスクールへ」という選択の間で、家族によって判断が分かれる。
どちらが正しいという答えはなく、それぞれの家族の状況・価値観・在住期間の見通しによって変わる。