UAE居住ビザのメディカルチェック——血液検査で何を見ているのか
UAE居住ビザ取得に必須のメディカルチェック(健康診断)の流れ・検査内容・費用・不合格になるケースを在住者向けに解説します。
この記事の日本円換算は、1AED≒42円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(AED)の金額を基準にしてください。
UAEで働くために居住ビザを取得する場合、メディカルチェック(健康診断)は避けて通れない。検査項目は限られているが、不合格になるとビザが発行されないため、何を調べているのかを事前に知っておく価値はある。
検査の内容
メディカルチェックで行われる検査は主に2つだ。
1. 胸部X線撮影 結核(TB)のスクリーニングが主目的。肺に異常所見がある場合、追加検査(喀痰培養)に進む。日本人はBCGワクチンの接種歴があるため、ツベルクリン反応が陽性になりやすいが、UAE のスクリーニングはX線ベースなので影響しない。
2. 血液検査 HIV、B型肝炎、C型肝炎のスクリーニング。検査結果は本人に通知されず、ビザの「適格/不適格」という形でのみフィードバックされる。
検査場所と予約
ドバイ: DHA(Dubai Health Authority)の指定クリニック、またはAmer Centre内のメディカルセンター。予約はDHA SmartアプリまたはAmerアプリから可能。
アブダビ: SEHA(Abu Dhabi Health Services Company)運営のクリニック。TAWAJUDIシステムでオンライン予約。
朝の時間帯は混雑するため、午前10時以降の予約がスムーズだ。所要時間は混雑状況により30分〜2時間。
費用
| エミレーツ | 費用 |
|---|---|
| ドバイ | 約300〜350AED(約12,600〜14,700円) |
| アブダビ | 約250〜350AED(約10,500〜14,700円) |
費用は検査機関とビザの種類(労働ビザ・家族ビザ等)で異なる。多くの場合、雇用主が費用を負担する。
不合格になるケース
以下の場合、ビザ取得が認められない可能性がある。
- HIV陽性: UAEでは原則としてHIV陽性者への居住ビザ発行を拒否する。ただし近年は一部のケース(ゴールデンビザ保持者等)で例外が認められる動きがある
- 活動性結核: 胸部X線で活動性結核が疑われた場合、治療完了後の再検査が求められる
- B型・C型肝炎: 陽性でも、治療中であることを証明できれば許可されるケースがある
再検査と追加手続き
胸部X線で「要追加検査」と判定された場合、DHA指定の上位医療機関で精密検査を受ける。喀痰培養は結果が出るまで最大8週間かかる。この期間、ビザの発行は保留される。
日本でBCG接種歴がある場合でも、X線で問題がなければスムーズに通過する。ただし過去に結核に罹患した経験がある人は、日本の主治医から英文の治療証明書(Treatment Completion Certificate)を取得しておくと追加検査時のプロセスが早まる。
転職時の再検査
UAE国内で転職する場合、新しいスポンサーの下で再度メディカルチェックを受ける必要がある。前回の検査結果は引き継がれない。前のビザキャンセルから30日以内に新ビザを申請するグレースピリオド中に受けるのが一般的だ。
検査自体は簡単だが、結果待ちの期間中は就労開始が遅れる。転職のタイムラインには1〜2週間の余裕を見込んでおくのが現実的だ。