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砂漠から火星へ——UAEの宇宙開発計画と「技術国家」へのブランディング

2021年、UAEの火星探査機「アマル(Hope)」が火星周回軌道に入った。この成功が何を意味するのか。オイルマネーから知識経済への転換を象徴するUAEの宇宙政策を読む。

2026-06-26
宇宙開発火星探査科学技術UAE国家ブランディング

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2021年2月9日、UAE初の火星探査機「Hope(アラビア語名:アマル)」が火星周回軌道への投入に成功した。日本(JAXA)の協力を得て製造・打ち上げられたこの探査機は、アラブ世界初の惑星間探査機として歴史に刻まれた。

なぜUAEが宇宙へ行くのか

UAEが宇宙開発に投資する理由は、「火星のデータが欲しい」だけではない。

「石油後の経済」をどう作るかというビジョンの中に、宇宙開発がある。宇宙技術の開発・運用には、エンジニアリング・データサイエンス・プロジェクトマネジメント・国際協力——「知識集約型産業」のすべてが必要だ。

「UAE人がロケットを作った」という事実は、国民の「この国は技術でも世界に立てる」という自己像を変える力がある。

Hope探査機のデータ

Hopeは火星の大気を研究するために設計された。紫外線・赤外線・可視光センサーを搭載し、火星大気の季節変化・砂嵐のダイナミクス・大気散逸などのデータを収集することを目的とした(UAE Space Agency等の発表より)。

データは国際的な宇宙科学コミュニティに公開されており、200以上の大学・機関がアクセスできる仕組みになっている。「オープンサイエンス」の原則を採用した点も、UAEの国際的なイメージ戦略と連動している。

2117年の火星市建設計画

UAE政府は2017年に「Mars 2117」という構想を発表した。2117年——100年後——に人類が火星に居住できる都市を建設することを目標とした、超長期ビジョンだ。

現実的には夢物語の側面もあるが、「100年スケールで考えている国」というシグナルは、国際的な投資家・人材・パートナーへのメッセージとして機能する。

日本との協力

Hope探査機の開発には日本の大学・企業の技術が活用された。この協力関係はUAEの宇宙開発と日本の宇宙技術の接点として象徴的だ。

JAXAが種子島から打ち上げた点も含め、「UAE×日本の宇宙協力」はソフトパワーの面でも両国にとってポジティブな結果をもたらした。

砂漠の国が火星を目指す——この事実は、「国の物語」として機能している。

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