UAEの賃貸契約——Ejari登録と小切手払いが残る独特の賃貸文化
ドバイの賃貸は今でも年1〜4枚の小切手払いが主流。Ejari登録の義務と、未登録の場合のリスク。家賃交渉のポイントと、外国人がよく陥る契約トラブルの事例。
この記事の日本円換算は、1AED≒41円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
ドバイで部屋を借りようとすると、「年間家賃12枚の小切手で払えますか?1枚の方が家賃を安くしますよ」という話になる。これはドバイ独特の賃貸文化で、他の国には馴染みにくい仕組みだ。
銀行振込やクレジットカードが発達した時代でも、ドバイの賃貸では未だに小切手(PDC: Post-Dated Cheque)が主流だ。
小切手払いの仕組み
大家(オーナー)は翌年分の家賃を確保するために、前払いの先日付小切手を求める。年間家賃12万AEDの場合、
- 1枚払い:12万AED(約4,920,000円)の小切手1枚→家賃が最安値
- 4枚払い:3万AED×4枚→中程度の家賃
- 12枚払い:1万AED×12枚→家賃が最も高くなる傾向
小切手の枚数が少ないほど大家にとって有利なため、その分割引になる仕組みだ。銀行口座の残高がないタイミングで小切手が引き落とされると、バウンスド・チェック(不渡り)になり、これはUAEでは刑事罰の対象になりうる。
Ejari登録とは
EjariはドバイのDREI(Dubai Land Department)による賃貸契約登録システムだ。家主と入居者が署名した賃貸契約をEjariに登録することで、法的に有効な契約として認められる。
Ejari登録証明書はビザ更新、学校入学、銀行口座開設など多くの手続きで提出を求められる。未登録の賃貸では、こうした手続きが進まなくなる。
費用は200〜220AED程度(手数料含む)。仲介業者を通じるか、入居者自身でEjariポータルから手続きできる。
家賃交渉のポイント
RERA(不動産規制庁)は地域別・建物種別の家賃上限増加率を規定しており、既存契約の更新時に家賃を値上げできる範囲が制限されている。RERA Rent Calculatorでエリア平均家賃を調べ、自分の部屋が市場相場より高ければ交渉材料になる。
新規契約の交渉は柔軟で、空室率が高い時期(夏)は家賃を抑えやすい。7月〜8月に次の住居を探すのは、実は家賃交渉の観点では悪くないタイミングだ。