UAE Passと行政デジタル化——紙ゼロを目指す政府サービスの現状
UAEはデジタル政府サービスの先進国で、UAE Passという国民IDアプリで行政手続きの多くを完了できる。在住外国人がどこまでデジタルサービスを活用できるかを解説。
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「役所の手続きに時間がかかる」という経験は日本では珍しくないが、ドバイでは多くの行政手続きがアプリとウェブで完結する設計になっている。UAEの行政デジタル化は、世界的に見ても先進的な部類だ。
UAE Passとは
UAE Passはデジタル身元証明アプリで、Emirates ID(UAEの国民ID・在住者ID)と連携している。以下のような手続きに利用できる。
- ビザ更新・ステータス確認
- 運転免許証関連の手続き
- 交通違反罰金の支払い
- 政府機関への各種申請
- 電子署名(書類への法的な署名が不要になるケース)
対応する政府ポータルへのシングルサインオン(SSO)として機能し、複数の手続きを一つのIDで進められる。
在住外国人の使い勝手
UAE Passを使うにはEmirati IDが必要なため、在住ビザを持っている外国人なら利用できる。新たにUAEに来たばかりで最初のビザ発行手続き中の段階では使えないが、最初の手続きが完了した後はほとんどの更新・申請にアプリを活用できる。
DHA(ドバイ保健局)の医療予約や、MOHRE(労働省)への申請もデジタルで対応しており、窓口に並ぶ機会が年々減っている。
まだ窓口が必要な手続き
生体認証が必要なビザ発行・更新の際は、ICA(連邦身元登録局)の窓口への出頭が必要なケースが残っている。また初回のEmiratesID取得は指紋採取があるため対面が必須だ。
ゼロではないが、「年1〜2回だけ窓口に行けばあとはデジタルで済む」という状態に近づいている。
日本との比較
日本のマイナンバーカードとその行政活用は、UAEのEmiratesID・UAE Passの仕組みと似ている。ただし普及率・活用度はUAEの方が先行していると見られている。
「行政のデジタル化が進んだ国で生活する」体験は、日本に帰国した後の感覚にも影響を与える。「なぜ日本はまだこのままなのか」という比較感覚が生まれるのは、UAE在住の日本人に共通した経験だ。