UAEのVAT(消費税)——2018年導入後の変化と在住者が知っておくべきこと
UAEは2018年に5%のVATを導入した。所得税ゼロの国に消費税が加わった影響と、医療・教育・食料品等の免税項目。外国人居住者が申告できるインプットVATの仕組みも解説。
この記事の日本円換算は、1AED≒41円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
「UAE=税金ゼロの国」というイメージは正確ではない。所得税はゼロだが、2018年1月に5%のVAT(付加価値税)が導入された。個人の所得には課税されないが、消費活動には課税される仕組みになっている。
日本の消費税(10%)の半分だが、以前が0%だったことを考えると、2018年以降の生活コスト感は変わった。
VATの基本
税率:5% 対象:ほとんどの物品・サービス 課税事業者の登録義務:年商375,000AED以上の企業
請求書にはVAT番号と税額が明記される必要があり、企業は定期的にFTA(Federal Tax Authority)へ申告・納付する。
免税・ゼロ税率の主な項目
ゼロ税率(0%):医療サービス・医薬品、教育(学費)、国際輸送、金融商品(一部)
免税:住宅用不動産の賃貸(新規販売は課税対象)、特定の金融サービス
食料品については基本的な食料品(生鮮野菜、肉、魚等)はゼロ税率が適用されるが、加工食品・外食は5%のVATがかかる。
観光客向けVAT還付
オーストラリアのTRS制度と同様に、UAEでも観光客が出国時にVATを還付できる制度がある(Tourist VAT Refund Scheme)。国際空港の自動キオスクで電子レシートを提示して申請する仕組みだ。
ただし在住者(ビザ保有者)は対象外となる。
企業・フリーランスへの影響
年商375,000AED以上になると、FTAへのVAT登録が義務になる。登録後は事業活動に使った費用のVATを「インプットVAT」として控除申請できる。
フリーランスで収入が増えてきた場合、VAT登録のタイミングと会計処理の準備が必要になる。税務コンサルタント(Tax Agent)に相談しながら進めるのが一般的だ。
生活実感での影響
ショッピングモールのレストランでの食事は当然5%加算。日用品の買い物も5%追加される。月の生活費が全部で1万AEDだとすると、VAT分で500AED(約20,500円)が消費税として上乗せされている計算だ。日本の消費税感覚に慣れた人には、5%は「まだ低い」と感じるかもしれない。