UAEの電気・水道——砂漠の都市で光熱費がどう決まるのか
UAE在住外国人向けの電気・水道費ガイド。ドバイ・アブダビの公共料金の仕組み、DEWA・ADDCの料金体系、エアコン常時使用による夏の電気代、海水淡水化の仕組みと水の価値、在住者の実際のコストまで。
この記事の日本円換算は、1AED≒41円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(AED)の金額を基準にしてください。
ドバイの夏、室外温度は45℃を超える日がある。エアコンなしで生活することは、物理的に不可能だ。
この国の光熱費の特徴は、エアコンの使用量が多い時期(5〜10月)に集中して費用がかかることと、政府の補助金によって「砂漠の生活コスト」が抑えられていることの、二つが同時に成立していることだ。
ドバイの電力供給:DEWA
ドバイの電力・水道は「DEWA(Dubai Electricity and Water Authority)」が管轄する。
外国人居住者(エクスパット)は入居時にDEWAのアカウントを開設する。賃貸物件の場合、電気・水道の名義変更手続きを自分で行うのが一般的だ。デポジット(AED 2,000〜4,000程度)を預けた後、月次で使用量に応じて請求される。
| 電力消費段階 | 単価(AED/kWh) |
|---|---|
| 〜2,000 kWh | 0.23 |
| 2,001〜4,000 kWh | 0.28 |
| 4,001〜6,000 kWh | 0.32 |
| 6,000 kWh超 | 0.38 |
※上記は一般的な参照値。最新の料金はDEWA公式サイトで確認を。
夏の電気代の現実
2LDK・エアコン常時稼働の場合、夏(6〜9月)の月間電気代はAED 400〜800(約16,400〜32,800円)程度になることが多い。冬はAED 200〜400(約8,200〜16,400円)程度に下がる。
アパートによっては中央空調(セントラルエアコン)で冷却費が家賃に含まれているケースもある。「CHILLER FREE」と表記された物件は冷却費込みで、夏の電気代が低く抑えられるため、選ぶ際の重要な条件になる。
水道——砂漠で水が出る仕組み
UAEは年間降水量が100mm以下の乾燥地帯。飲料水も生活用水も、そのほとんどを海水淡水化(Desalination)で生産している。
エネルギーを大量に消費する海水淡水化プロセスで作られた水だが、政府補助により水道料金は比較的低く抑えられている。
| 水道消費段階 | 単価(AED/Gallon) |
|---|---|
| 〜6,000 ガロン | 0.004 |
| 6,001〜ガロン超 | 段階的上昇 |
実際の月間水道代は単独世帯でAED 50〜150(約2,050〜6,150円)程度が目安だ。
飲料水は別途購入が現実
水道水は飲料に適しているとされているが、多くの在住外国人は飲料用として購入した水(ボトル水またはウォーターディスペンサー)を使う。大型のウォータージャグ(20リットル)の宅配はAED 5〜10(約205〜410円)程度で利用でき、家庭に1台ウォーターディスペンサーを置くスタイルが一般的だ。
アブダビは別の公社
アブダビは「ADDC(Abu Dhabi Distribution Company)」が管轄する。料金体系や仕組みはドバイのDEWAと類似しているが、別組織だ。ドバイとアブダビを行き来する際は、それぞれ別のアカウント・手続きが必要になる。
砂漠の都市インフラの維持コストは高い。政府補助によってその一部が緩和されているとはいえ、エアコン電気代は家計の中で無視できない変動費になる。