UAEで増える女性起業家——「女性が働きにくい国」という先入観は今も正しいか
イスラム圏というイメージからUAEでは女性が活躍しにくいと思われがちだが、実際は女性の教育水準・起業率・管理職比率は世界平均を上回る指標もある。その現実と矛盾を整理する。
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「イスラムの国だから、女性が働くのは難しいのでは」という先入観は、UAEの現実と大きくずれている場合がある。
もちろん完全に平等ではない。でも「働きにくい」という一言で片付けるには、現実が複雑すぎる。
数字で見る女性活躍
UAE政府の統計によれば、大学卒業生の過半数が女性だ(UAE Ministry of Educationのデータより)。政府機関・医療・教育分野での女性の存在感は高く、一部の省庁では大臣職も女性が担っている。
世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数では、UAEはアラブ諸国の中では相対的に高い順位にあるが、日本やOECD平均と比べると低位にある。比較の軸によって見え方が変わる。
エミラティ女性の起業文化
UAE国籍(エミラティ)の女性の間では、起業に対するポジティブな文化がある。政府はegovernment、fintech、eコマースなどの分野での女性起業家支援プログラムを複数運営しており、低利の資金援助・インキュベーター・メンタリングが提供されている。
食品・ファッション・美容分野では、エミラティ女性が設立した小規模ブランドがInstagram・TikTokを通じて成長するケースが目立つ。
外国人女性のキャリア環境
外国人女性がUAEで働く場合、職種・業種によってまったく異なる環境に置かれる。
金融・IT・教育・医療・ホスピタリティ分野では、外国人女性のプロフェッショナルが多く活躍しており、「女性だから不利」という状況は少ない傾向がある(在住者の経験談より)。
一方で、一部の職場では「アラブ男性上司との関係性構築が男性社員より難しい」という声も聞かれる。文化的背景による職場ダイナミクスの違いは、実際に体験して対応を学ぶしかない部分もある。
服装・行動規範
UAEではドレスコードに関して、外国人女性はスカーフの着用義務はない。ショッピングモール・ビジネス環境では洋服で問題ない。
ただし、肌の露出が多い服装は場所を選ぶ。モスク・伝統的なエリア・政府機関では露出を控えるのがマナーだ。これはムスリム・非ムスリム問わず求められる文化的配慮だ。
先入観をアップデートする視点
UAEを「女性が抑圧される社会」と見るのも、「完全に対等な社会」と見るのも、どちらも単純化しすぎだ。複数の文化・宗教・経済階層が重なる社会では、女性の経験は一言では語れない。
「そこに行ったことがある人に聞く」が、先入観を崩す最短距離だ。