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NDIS(国家障害保険スキーム)と外国人の対象範囲

オーストラリアのNDIS(National Disability Insurance Scheme)は障害を持つ人への包括的支援制度。永住権・市民権が必要な制度だが、在住外国人家族が知っておくべき基本と代替支援について解説する。

2026-04-27
NDIS障害支援社会保障永住権

この記事の日本円換算は、1AUD≒100円で計算しています(2026年4月時点)。

オーストラリアに住んでいると、「NDIS(エヌディーアイエス)」という言葉を耳にすることがある。National Disability Insurance Scheme——日本語で「国家障害保険スキーム」と訳される制度で、障害を持つ人が必要な支援を受けられるよう資金援助する仕組みだ。在住外国人家族にとって関係があるかどうかは、ビザの種類によって大きく変わる。

NDISとは何か

2013年に連邦法で成立し、2016年から全国展開されたNDISは、障害を持つ人(または幼少期に障害が生じた人)が「合理的かつ必要な支援」を受けるための資金を、政府が個人ごとの「プラン」に基づいて提供する制度だ。

支援の対象は広く、日常生活の補助、療育・リハビリ、住居のアクセシビリティ改修、補助機器(車椅子・聴覚補助等)、就労支援など多岐にわたる。2024年度のNDIS参加者数は約64万人(NDIA公式データ)。

資金は参加者の個別プランに応じて配分され、支援サービス提供者から直接受けることができる。

外国人・在住者の対象範囲

NDISの受給資格には国籍・在留資格の要件がある:

対象となる在留資格

  • オーストラリア市民権
  • 永住ビザ(Permanent Resident)
  • 特定の保護ビザ(Protection Visa)保持者

対象外

  • 一般的な就労ビザ(482・457等)
  • 学生ビザ
  • 観光ビザ
  • ワーキングホリデービザ

つまり、駐在員として就労ビザで滞在している間は、本人も家族(子ども含む)もNDISの対象にならない。

就労ビザ・非対象の在住者が使える代替支援

NDISの対象外であっても、完全に何も使えないわけではない。

州政府の提供するサービス:NDISとは別に、各州が独自に障害支援サービスを提供している場合がある(特に子ども向けの早期介入)。ただし利用条件・費用は州によって異なる。

民間の療育・支援サービス:セラピスト(作業療法士・言語聴覚士・理学療法士)のプライベートセッションは、費用が自己負担になるが利用できる。

費用の目安:言語聴覚士・作業療法士の1セッション(45〜60分)はAUD200〜250(20,000〜25,000円)程度が相場。保険の種類によっては補助が出る場合もある(民間保険のExtras coverのリハビリ項目)。

永住権取得後のNDIS申請

永住権を取得した場合、申請時点でNDISの年齢要件(原則65歳未満)・障害要件を満たせば申請できる。申請はNDIA(National Disability Insurance Agency)のウェブサイトから行う。

「日本では何も支援を受けられなかったが、オーストラリアで永住権を取得してNDISのプランが組まれた」という話は、障害を持つ子どもを育てる在住者から聞くことがある。社会保障の手厚さはオーストラリアを選ぶひとつの理由になりうる。

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