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Centrelinkという巨大な安全網——オーストラリアの福祉制度は誰を守り、誰を排除するか

オーストラリアの社会保障の窓口Centrelinkの仕組みを解説。永住者・市民権保持者が受けられる給付と、一時ビザ保持者が直面する「福祉の壁」の実態。

2026-05-31
Centrelink社会保障福祉永住権ビザ

この記事の日本円換算は、1AUD≒100円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(AUD)の金額を基準にしてください。

オーストラリアには「Centrelink」という名前の政府機関がある。Services Australiaの一部門で、失業手当・育児手当・障害者給付・家賃補助など、あらゆる社会保障給付の窓口だ。

市民権保持者と永住権保持者は、ほぼ全ての給付にアクセスできる。しかし一時ビザ(ワーキングホリデー、就労ビザ、学生ビザ)の保持者は、原則としてCentrelinkの給付を一切受けられない。この「福祉の壁」は、オーストラリアの移民制度を理解する上で避けて通れない。

永住者が受けられる主な給付

給付名対象金額(目安)
JobSeeker Payment失業者(22歳以上)最大約760AUD/2週(約38,000円)
Parenting Payment子育て中の親最大約920AUD/2週(約46,000円)
Child Care Subsidy保育料補助保育料の50〜90%を還付
Family Tax Benefit子どもがいる家庭所得に応じて変動
Rent Assistance民間賃貸の入居者最大約190AUD/2週(約9,500円)
Age Pension67歳以上最大約1,100AUD/2週(約55,000円)

※金額は2025年時点の概算。所得・資産テストにより減額される。

永住直後の「待機期間」

永住権を取得した直後に全額受給できるわけではない。多くの給付にはNewly Arrived Resident's Waiting Period(NARWP)が設定されており、永住取得から4年間は一部給付を受けられない。

例外はMedicare(医療保険)で、これは永住権取得と同時に利用可能。ただしMedicareはCentrelinkとは別制度(同じServices Australia傘下だが)で、GP受診のBulk Billingに使える。

一時ビザ保持者の現実

ワーキングホリデービザ(subclass 417/462)でも、就労ビザ(subclass 482)でも、Centrelinkの給付は受けられない。失業しても手当はなく、家賃補助もない。

唯一の例外は、DVに関する支援で、Crisis Payment等の緊急給付は一部のビザ保持者にも開放されている。

つまり、一時ビザで生活する日本人は「自分の貯蓄と収入だけで生きる」ことが前提だ。この点で、オーストラリアは移民に優しい国であると同時に、自立を強く求める国でもある。

Centrelinkの窓口体験

オフィスは全国に約300箇所。混雑時は2〜3時間待ちも普通で、オンライン申請(myGov経由)がほぼ必須になっている。電話窓口は平均待ち時間が30分以上と報告されており、忍耐力が試される。

日本語対応はないが、Translating and Interpreting Service(TIS National)を無料で利用できる。131 450に電話して「Japanese」と伝えれば通訳が入る。Centrelinkの窓口に直接行く場合も、TISの通訳を事前に手配できる。

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