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子育て・教育

オーストラリアの保育料危機:週1,000ドルが普通の国での子育て

世界でも突出して高いオーストラリアの保育コスト。政府補助金の仕組みと、それでも高い自己負担額、待機児童問題の実態を解説。

2026-04-12
保育子育てコスト政府補助子育て支援

この記事の日本円換算は、1AUD≒95円で計算しています(2026年4月時点)。

シドニーで子どもをフルタイムで保育園に預けると、週1,500〜2,000AUD(142,500〜190,000円)かかることがある。政府補助を最大限受けても自己負担は週500〜700AUD(47,500〜66,500円)程度になる家庭も多い。これが現在のオーストラリアの保育コストの現実だ。

OECD加盟国の中でも、オーストラリアの保育費用は所得に対する比率で見ると最も高い水準の一つとされている。

Child Care Subsidy(CCS)の仕組み

連邦政府はChild Care Subsidy(CCS)という補助制度を運用している。世帯収入・保育利用時間・子どもの年齢によって補助率が変わり、低所得世帯ほど高率の補助を受けられる仕組みだ。

2023年の改革で補助率が引き上げられ、年収18万AUD以下の世帯では最大90%の補助が受けられるようになった。ただし「保育施設が設定する料金(daily rate)」から補助が引かれる形なので、施設の料金が高ければ補助額も上がるが自己負担が消えるわけではない。

なぜ保育コストがこれほど高いのか

主な要因は人件費だ。オーストラリアの最低賃金は25AUD超で、保育士には有資格者要件(早期幼児教育・保育の資格)がある。また、子ども何人に対し保育士何人以上という比率規制が厳しく、人員を削れない構造になっている。

土地・施設コストも都市部では高く、保育施設の事業コスト自体が大きい。民間事業者が多いため、コストは利用者への料金に転嫁される。

待機児童の問題

料金の高さだけでなく、空きがないという問題もある。人気のある保育施設は「妊娠が確定したらすぐ申し込む」が常識になっており、生まれた後に探し始めると1〜2年待ちになることも珍しくない。

在住日本人家庭への影響

共働き前提の家庭でも、保育費が収入の多くを占める場合「一人が働いても保育費で相殺される」と感じるケースがある。特に2人目・3人目を希望する際に「経済的に無理」と判断する日本人夫婦の話はよく聞く。

一方で、保育施設の質は全体的に高く、言語・運動・社会性の発達を体系的にサポートするプログラムが整っている施設が多い。コストを払えた家庭の子どもにとっては、教育的なメリットが大きいとも言える。

自治体によるキンダーガーテン無償化

5歳前後の「Kindergarten(Kinder)」と呼ばれる幼稚園相当の1年間は、多くの州で無償または低料金化が進んでいる。これが保育の入口になる時期で、4歳Kinderと5歳Kinder(準義務教育)の組み合わせが一般的だ。

小学校(Primary School)は公立であれば無償だが、制服・文房具・課外活動費などで年間数百AUDの実費はかかる。

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