早期幼児教育(ECEC)の費用と待機リスト——オーストラリア
オーストラリアの早期幼児教育(保育・幼稚園)は費用が高く、人気の施設では待機リストが1〜2年に及ぶことも。在住日本人家族が知っておくべき制度・費用・補助金を解説する。
この記事の日本円換算は、1AUD≒100円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(AUD)の金額を基準にしてください。
オーストラリアで子育てをする上で、早期幼児教育(ECEC: Early Childhood Education and Care)のコストは家計に大きくのしかかる。
「保育料が高すぎて働きに出るより家にいた方がいい」という話はオーストラリア在住者の間でよく出る。それほど費用の水準が高い。
費用の現実
オーストラリアの保育センター(Long Day Care)の費用は都市・エリアによって異なるが、シドニー・メルボルン周辺では1日あたりAUD 120〜180(12,000〜18,000円)程度が目安だ。週5日フルタイムで預けると月AUD 2,400〜3,600(240,000〜360,000円)以上になる計算だ。
子ども1人の保育費が、家賃と同等かそれ以上になることも珍しくない。
Child Care Subsidy(CCS)
オーストラリア政府は、Child Care Subsidy(CCS)という保育費補助制度を設けている。
補助率は家族収入と保育の利用日数によって変わる。低所得世帯は費用の90%以上が補助される一方、高所得世帯は補助が減る(または受けられない)。
注意点: CCSは永住権保有者またはオーストラリア市民が対象だ。就労ビザ(PR未取得)の状態では原則として対象外になる。
駐在員・就労ビザのみの日本人家族はCCSを受けられないため、保育費を全額自己負担で支払う状況になる。企業が駐在員手当として保育費をカバーするケースも多い。
待機リスト
人気の保育センターでは、妊娠中から申し込んでも入れないことがある。シドニー・メルボルンの都市部では1〜2年の待機が発生する施設も珍しくない。
複数施設に並行して申し込み、先着順で入れる施設を確保するのが現実的な戦略だ。渡航が決まったら、育児施設の確保を最優先タスクに入れることを勧める。
幼稚園(Kindergarten・Preschool)
保育センターとは別に、就学前1〜2年を対象にした幼稚園(KindergartenまたはPreschool)がある。
公立幼稚園: 無料または低価格だが週15〜20時間程度の提供が多く、フルタイムの保育には対応していない。
私立幼稚園: フルタイム対応だが費用は保育センターと同様に高い。
日本語補習校との関係
シドニー・メルボルン等には日本語補習校が存在し、週末に日本の学習指導要領に基づいた教育を提供している。帰国後に日本の学校に戻ることを考えている家族に利用されている。
週末の補習校に通わせながら、平日は現地の保育・幼稚園に通う体制をとる在住日本人家族も多い。