オーストラリアの保育制度——高すぎる費用と政府補助の仕組み
オーストラリアの保育費は世界最高水準の一つで、週5日で月40万円超になるケースもある。政府のChildcare Subsidy(CCS)がどこまでカバーするかと、実際の自己負担額の計算方法。
この記事の日本円換算は、1AUD≒97円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
オーストラリアの保育費は世界的に見ても高い水準にある。シドニーやメルボルンで週5日フルタイムの保育所に預けると、月2,000〜3,500AUD(約19.4万〜33.9万円)かかる。0〜2歳の乳児の場合はさらに高くなることがある。
「日本の認可保育所に慣れた感覚」で来ると、数字を見た瞬間に目を疑う。
Childcare Subsidy(CCS)が現実の費用を下げる
オーストラリア政府は家庭の収入に応じて保育費の一定割合を補助するCCS(Childcare Subsidy)制度を設けている。補助率は収入によって異なり、低〜中所得世帯では最大90%以上の補助が受けられる場合がある(2023年の制度改正後)。
世帯年収がおおよそ80,000AUD(約776万円)以下であれば補助率が高く、実質的な自己負担は大幅に軽減される。ただし補助には週の利用時間の上限があり、就労・就学・ボランティア等の「活動要件」を満たしていることが条件だ。
保育所の種類
Long Day Care:一般的な保育所。週1〜5日。6ヶ月〜就学前が対象。
Family Day Care:一般家庭でのグループ保育。少人数で柔軟な時間設定が可能。費用はLong Day Careより低いことが多い。
Kindy / Preschool:4〜5歳対象の幼稚園相当。多くの州で週15時間程度の無償提供がある。
待機問題
人気の保育所は1〜2年待ちになることもある。妊娠がわかった段階で申し込みを始める家庭も珍しくない。複数の保育所に同時申し込みをしておいて、最初に空いた場所に入れるという戦略が現実的だ。
日本と比べたときの違い
日本の認可保育所は所得に応じた保育料で、月2〜5万円程度が多い。オーストラリアはCCSを引いた後でも月5〜15万円になるケースが多い。ただし保育士の資格要件や施設水準はオーストラリアでも高く維持されており、「高いから悪い」ではない。
二人目・三人目になると補助率が増す仕組みもあり、多子家庭への配慮がある。保育費の負担を前提に世帯の収支計画を立てることが、オーストラリアで子育てをする家庭の必須の準備だ。