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教育

オーストラリアで子どもを育てる——公立・私立・インター校の費用と学区の選び方

オーストラリアで子育て中の日本人向けに、公立・私立・カトリック校の費用比較、学区と不動産価格の関係、ATAR、日本人補習校、留学生授業料まで解説。

2026-04-09
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この記事の日本円換算は、1AUD≒97円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(AUD)の金額を基準にしてください。

オーストラリアで子どもを育てる場合、最初にぶつかる選択が「どの学校に入れるか」だ。

公立学校はPR(永住権)・市民権保持者なら授業料がかからない。しかし実際には、住む場所によって通える公立校が変わる「学区制度」があり、良い学区の不動産は割増しで取引されている。私立校・カトリック校・インター校を選べばそれなりのコストがかかる。

単純に「学校の質」の話ではなく、「どこに住むか」「どんな教育を求めるか」という生活全体の設計に関わる選択だ。

オーストラリアの学校制度の基本

区分学年日本との対応(概算)
Early Childhood / PrepYear 0(Prep/Kinder)幼稚園年長
Primary SchoolYear 1〜6小学1〜6年生
Secondary SchoolYear 7〜12中学1年〜高校3年

州によって若干異なるが、基本は Year 1〜12の12年間。義務教育はYear 10まで(約16歳)。Year 11〜12が大学受験に向けた重要な学年で、この2年間で取得するATARスコアが大学進学を左右する。


学校の種類と費用

公立学校(Government Schools)

PR・市民権を持つ場合、授業料は無料。ただし以下の費用は発生する。

  • School Contribution / Activity Fee: 年間AU$500〜2,000程度(任意・半強制)
  • 制服: 年間AU$300〜600程度
  • 遠足・課外活動: 年間AU$200〜500程度

合計でもAU$1,000〜3,000(約10〜29万円)程度で通えるのが公立の強みだ。

質のばらつきは大きく、シドニー・メルボルンの人気学区の公立校(North Sydney Boys High、Melbourne High等)は私立に引けを取らない進学実績を持つ。一方で地方の公立校や、移民・難民が多い学区の学校は学習環境が厳しいこともある。

カトリック校(Catholic Schools)

カトリック教会が運営する学校。公立より費用がかかるが私立ほどではない「中間」の選択肢。

  • 年間費用の目安: AU$5,000〜15,000(約49〜146万円)
  • 特徴: キリスト教教育が一部入るが、非キリスト教徒の入学も可能

シドニーとメルボルンにカトリック系学校が多く、日本人家庭でも選ぶケースがある。

私立学校(Independent / Private Schools)

  • 年間費用の目安: AU$15,000〜50,000(約146〜485万円)
  • 寄宿舎付き(Boarding School): さらに高額でAU$50,000〜80,000(約485〜776万円)

名門私立校(Grammar School、Anglican / Uniting Church系等)は全国に複数あり、入学倍率も高い。ただし「高い学費=学力が高い」とは必ずしも言えない。ATARトップ校の中には公立の選抜校が多く含まれる。

インターナショナルスクール

日本語や英語以外の言語で教育を受けさせたい場合の選択肢。

  • 年間費用の目安: AU$20,000〜35,000(約194〜340万円)
  • 日本人学校(政府認定): シドニー・メルボルン等に設置。IBO(国際バカロレア)認定校もある

学区と不動産——「無料の学校」にかかる本当のコスト

オーストラリアの公立校は原則として学区内の子どもが優先される(州によって制度は異なる)。

人気の公立校がある学区では、不動産価格が周辺よりAU$100,000〜200,000(約970〜1,940万円)高いケースも珍しくない。

例えばシドニーのSelectiveな公立進学校(North Sydney Boys High等)の学区内物件は、周辺エリアより高めに取引されるという傾向がある。

「授業料は無料だが、学区内に住むために賃料・購入価格が高い」という構造が、オーストラリアの教育格差の実態の一つだ。

転居や賃貸の際に「学区」を意識した物件選択をする日本人駐在員家族も多い。


日本人補習校

オーストラリアの主要都市には、土曜日に日本語・日本の学習指導要領で教える「補習校」が設置されている。

都市補習校開設日
シドニーシドニー日本語補習校1966年
メルボルンメルボルン補習校1969年
ブリスベンブリスベン補習校
パースパース補習校

費用は年間AU$3,000〜5,000程度(学校・学年による)。帰国後に日本の学校への再編入を見据えている場合や、日本語能力を維持させたい場合に活用されている。

ただし「現地校+補習校」は子どもの負担が大きいという声も多い。週5日の英語学習に、週1日の日本語学習が加わる。両立できる子もいれば、どちらも中途半端になるケースもある。


ATAR——大学入試の仕組み

ATAR(Australian Tertiary Admission Rank)はYear 11〜12の成績・外部試験を総合して算出される0〜99.95のスコア。日本の「偏差値」に近いが、算出方法は州ごとに異なる。

ATARスコア意味
99.95全体の上位0.05%以内(事実上の満点)
90.00全体の上位10%
70.00全体の上位30%
50.00ちょうど中央

シドニー大学・メルボルン大学の医学部・法学部は97〜99超が必要。商学部・工学部は85〜90前後が目安とされる。

日本からの永住移住家庭の場合、英語力が追いついていれば十分に高いATARを狙える。日本語も加われば言語的アドバンテージになるケースもある。


留学生の授業料

ビザで在住しているが永住権を持たない場合(留学ビザ等)、公立校でも授業料がかかる。

学年年間授業料の目安(AU$)日本円換算
小学校(Primary)AU$8,000〜12,000約78〜116万円
中学・高校(Secondary)AU$10,000〜15,000約97〜146万円

就労ビザ(Skilled Worker等)で在住している場合は扱いが異なるため、州教育省に確認することを勧める。


学校選びの実際

日本人駐在員家庭の場合、赴任期間が3〜5年程度であれば「帰国後の再適応」を考えて補習校を組み合わせるパターンが多い。永住を見据えている場合は、学区内の公立校か私立校を中心に検討する流れが一般的だ。

どの選択も正解はなく、子どもの性格・英語習熟度・家庭の方針によって最適解が変わる。学校訪問(Open Day)に参加して雰囲気を見るのが、数字だけでは判断できない部分を補う有効な方法だ。


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