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税金・制度

フリンジベネフィット税——会社支給の車・食事・住居に課税される制度

オーストラリアのFBT(Fringe Benefits Tax)は、雇用主が従業員に提供する金銭以外の福利厚生に課税される制度。車・住居・食事の扱いと申告の基礎を解説。

2026-04-29
オーストラリア税金FBT就労会社員

この記事の日本円換算は、1AUD≒100円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(AUD)の金額を基準にしてください。

給料以外で会社からもらうものに、税金がかかる。

それがオーストラリアのFBT(Fringe Benefits Tax:フリンジベネフィット税)だ。会社の車をプライベートに使う、会社が家賃を払ってくれる、食事を経費で落とす——こういった「現物給与」に対して、雇用主が税金を払う仕組みになっている。

FBTとは何か

FBTは雇用主(企業)が支払う税金だ。従業員が直接払うわけではないが、実質的なコストは給与パッケージの設計に影響する。

FBTの税率は課税価額の47%(2026年時点)。これは所得税の最高税率と同水準に設定されており、「現物で払っても、現金で払っても、税負担は同じになるように」という設計思想に基づいている。

FBT年度は毎年4月1日〜翌3月31日で、通常の所得税年度(7月1日〜6月30日)とずれている。申告は5月下旬が期限。

典型的なFBT対象となる福利厚生

① 社用車(Car Fringe Benefit)

最も一般的なFBT対象。会社が所有・リースする車を従業員がプライベート使用する場合にFBTが発生する。「通勤」もプライベート使用に含まれる。

課税方式は「Statutory Formula Method(定率法)」が一般的で、車の購入価格に対して20%を課税ベースとして計算する。

② 住居提供(Housing Fringe Benefit)

会社が家賃を全額または一部負担する場合。日本人駐在員が「会社が住宅を用意してくれる」ケースで該当することがある。

課税対象となる金額は「市場価格家賃との差額」または「実際に支払った家賃」をもとに計算される。

③ 食事・接待(Meal Entertainment)

原則としてFBT対象だが、特例として「Meal Entertainment Concession」を使うと一定額まで非課税にできるスキームを使う企業もある(主に病院・慈善団体等の非課税団体が活用)。

従業員にとっての関係

従業員が直接FBTを払うわけではないが、給与明細や源泉徴収票(Payment Summary / Income Statement)に「Reportable Fringe Benefits Amount(RFBA)」という項目で記載される場合がある。

RFBAがある場合、各種制度の所得テスト(Medicare Levy Surcharge・CCS補助率・HELPローン返済額の計算等)に影響することがある。「実際の収入より高い所得」として扱われる場面が生じる。

日本人駐在員が注意すべき点

日本から駐在・赴任する場合、会社が「住居・車・帰省航空券」などをパッケージとして提供するケースがある。これらはすべてFBTの対象になり得る。

企業の人事・経理部門がFBTを適切に申告・管理しているかどうかは、企業側の責任だ。従業員として知っておくべきは「会社からの現物提供がある場合、税務上のRFBAが発生し、個人の税申告や各種制度計算に影響することがある」という点だ。

オーストラリアに赴任・移住して最初の確定申告(Tax Return)を行う際に、会社からRFBAがある場合はその金額を確認しておくことが必要になる。

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