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留学生経済とオーストラリア在住外国人への影響

オーストラリアは世界第3位の留学生受け入れ国です。留学生経済の規模と、在住外国人の生活(家賃・労働市場・物価)への影響を解説します。

2026-04-22
留学生経済生活費

この記事の日本円換算は、1AUD≒100円で計算しています(2026年4月時点)。

シドニーのシティエリアを歩くと、語学学校の広告が目に入る。大学のキャンパスには世界中からの学生がいて、カフェでは様々な言語が飛び交う。オーストラリアは長年にわたって世界有数の留学生受入国として発展してきた。その経済規模は在住外国人の日常にも影響を与えている。

留学生経済の規模

オーストラリア政府の統計によると、コロナ禍前の2019年には約75万人の留学生がオーストラリアに在籍し、教育サービスは国の輸出産業として鉄鉱石・石炭に次ぐ規模を持っていた。2019〜20年の教育輸出額は約380億AUD(約3.8兆円)程度とされた。

コロナ禍で留学生数は大幅に減少したが、2022年末の国境再開以降、急速に回復した。2023〜2024年にかけて記録的なペースで留学生が戻り、一部都市では住宅不足が深刻化した。

家賃への影響

留学生の急増が最も直接的に影響したのが住宅市場だ。シドニー・メルボルン・ブリスベンでは2022〜2024年にかけて賃貸物件が逼迫し、家賃が急上昇した。

2024年時点のシドニー都心部(CBD〜内環状エリア)の相場は、1LDK相当の賃貸で週400〜650AUD(約40,000〜65,000円)程度。3〜4年前と比べて20〜40%以上上昇したエリアもある。

留学生の多くはシェアハウスに住むため、1部屋あたりの家賃は週150〜300AUD(約15,000〜30,000円)程度が一般的だ。この需要が物件数を圧迫し、一般の在住外国人の物件探しも困難にさせた。

労働市場への影響

留学生はビザの就労制限(週40時間、以前は週20時間に制限されていたがコロナ後に変更)のもとで就労が認められており、接客・飲食・小売・農業分野での労働力として機能している。

在住日本人が多く働くホスピタリティ・飲食業においても、留学生との競合・協働が日常的だ。英語力・国籍・ビザ種別によって採用選考での有利不利が生まれる場面もある。

大学・語学学校の留学生依存

オーストラリアの大学の多くは、留学生の学費収入に財政的に依存している。国内学生の学費より2〜4倍高い留学生学費が大学の研究・設備投資を支えている面がある。一方で「留学生が多すぎて授業の質が下がる」という批判も国内で定期的に出る。

政策の動き

2024年以降、オーストラリア政府は留学生ビザの審査厳格化・数の上限設定を検討する方針を示している。住宅不足・物価上昇・労働市場への影響を懸念した政策転換で、在住外国人の生活コストや労働環境に今後も影響を与える可能性がある。

留学生経済の動向は「自分には関係ない」と思いがちだが、家賃・物価・労働市場を通じてオーストラリア在住者全員の生活と繋がっている。

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