オーストラリアの日本語補習校——現地校と並行して通う子どもたちの実態
オーストラリアの主要都市には日本語補習校がある。現地の学校に通いながら週末に日本の教科書で学ぶ生活は、子どもにとって負担であり、同時に日本語力を守る唯一の手段でもある。
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シドニーの日本語補習校(シドニー日本語補習校)は土曜日に開校している。朝8時過ぎに親子で車に乗り込み、1〜2時間かけて学校へ向かう家庭もある。現地の友人と遊びたい週末に日本語の授業を受けるのは、子どもの視点ではかなりのストレスになる。それでも通わせる親には、それなりの理由がある。
補習校の目的は「帰国後のギャップ解消」
駐在員家庭の多くは数年で日本に帰国する。その際、現地でしか英語を勉強していなかった子どもが日本の学校に戻ると、国語・算数・理科・社会で大幅な遅れが生じる。補習校は文部科学省準拠の教科書を使い、日本の学年相当の内容を学ぶ場所だ。
帰国後すぐに「授業についていける」状態を保つための保険、という位置づけが実態に近い。
主要都市の補習校
シドニー、メルボルン、ブリスベン、パース、アデレードには日本語補習校が存在する。規模や開校頻度は都市によって異なるが、週1回(土曜日)が主流だ。
学費は年間で1,000〜2,500AUD(約97,000〜242,500円)程度が目安とされる(学校によって異なる)。通学費用を加えると、年間のコストはまとまった金額になる。
「行かせるか否か」の悩み
永住権を取得した家庭や、帰国を予定していない家庭は「補習校に行かせるべきか」という判断が難しい。
子どもが完全にバイリンガルに育つのは理想だが、週末まで拘束される生活は友人関係に影響する。特に現地に馴染んで友人ができてきた子どもほど、「なんで自分だけ土曜日に学校があるの」という疑問を持ちやすい。
一方で、補習校に行かずに育った子どもが20代になって「日本語が中途半端になった」と後悔するケースもある。
日本語力の維持は家庭の意識が大部分
補習校に通っていても、家庭で日本語を使わなければ急速に薄れていく。逆に補習校に通っていなくても、家庭内で徹底して日本語を使い、日本語の本を読む習慣があれば高いレベルを維持できる。
補習校は「外部の仕組み」として日本語環境を強制的に作る場所だが、日常生活の言語環境と切り離して考えることはできない。子どもの年齢、在住予定期間、帰国後の進路、家庭内の言語方針を合わせて検討する必要がある。
週末の数時間を何に使うかという判断は、表面上はシンプルだが、家族の将来像をどこに置くかという問いと直結している。