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労働・制度

オーストラリアの育児休業制度(Paid Parental Leave)と外国人労働者の権利

オーストラリアの政府給付型育児休業制度(PPL)は外国人労働者も条件次第で受給できる。2024年の制度改正ポイントと、永住権・就労ビザ保持者への適用条件を解説する。

2026-04-18
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この記事の日本円換算は、1AUD≒100円で計算しています(2026年4月時点)。

オーストラリアで出産・育児を経験する外国人労働者が増えている。「育児休業って外国人も取れるの?」という疑問は正当で、答えは「ビザと就労状況によって異なる」だ。

オーストラリアの育児休業制度の種類

オーストラリアには2種類の育児支援がある。

1. 政府給付型育児休業(Government-funded Paid Parental Leave / PPL) 連邦政府が支給。最大18週間分の支給額(週単位で国家最低賃金相当)が給付される。2024年度は週AUD 882.75(88,275円)程度(National Minimum Wage基準。変動あり)。

出典: Services Australia公式サイト(2025年時点情報)

2. 雇用主提供の育児休業(Employer Parental Leave) 企業が独自に設定する育児休業。法的義務ではないが、大手企業の多くが6〜18週間の有給育児休業を提供している。

外国人労働者のPPL受給条件

政府給付のPPLを受給するには、以下の条件を満たす必要がある:

  • 就労テスト: 子供誕生日前の13か月間に、少なくとも10か月間就労していること(週1日以上の就労で計算)
  • 所得テスト: 個人の年収がAUD 168,865(16,886,500円)以下(2024-25年度の基準。変動あり)
  • ビザ条件: 就労権限のある有効なビザを保持していること。具体的には「オーストラリアに無期限または当面の期間在留できる資格」が必要

出典: Services Australia PPLページ(2025年確認)

永住権(PR)保持者: 受給資格あり(条件を満たす場合) 市民権保持者: 受給資格あり 就労ビザ(485・482・TSS等)保持者: 就労権限があっても「無期限在留資格」の要件を満たさないため、多くの場合は受給不可

一時的な就労ビザ保持者の大部分は政府PPLの対象外になる可能性が高い。事前にServices Australiaか移民専門家に確認することが重要だ。

雇用主の育児休業——就労ビザでも適用可能

政府PPLと異なり、雇用主が定める育児休業制度は就労ビザ保持者にも適用されることが多い。雇用契約・労働協定(Enterprise Agreement)に基づく有給育児休業は、ビザの種類に関わらず全従業員に適用される場合がある。

就職先の育児休業ポリシーをHRに確認することが有効だ。特に大手企業・公務員系は手厚い育児休業制度を持っていることが多い。

2024年の制度改正ポイント

オーストラリア政府は2024年7月からPPLの段階的拡充を開始した。従来の18週間から、2026年7月までに26週間に延長する計画が進んでいる。また夫・パートナーも取得できるよう両親での分割取得が柔軟化された。

具体的な週数・条件は年度ごとに変更されるため、実際に申請する際はServices Australia(servicesaustralia.gov.au)で最新情報を確認することを推奨する。

仕事復帰のタイムライン

オーストラリアでは育児休業後の職場復帰権利が法律で保護されている(Fair Work Act)。育児休業前の同等ポジションへの復帰が原則だ。ただし雇用主都合による解雇・職種変更には異議申し立ての権利があり、Fair Work Commissionへの相談が可能だ。

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