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稼いで母国に送る——オーストラリアの移民労働者と海外送金の実態

オーストラリアには多くの移民労働者がいる。その一部は稼いだ収入の一部を母国の家族に送金している。どんなルートでいくら送られているのか。日本人も無縁ではないこの話を整理する。

2026-06-14
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この記事の日本円換算は、1AUD≒97円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。

シドニーやメルボルンで働く移民労働者の中に、毎月決まった日に「送金の日」を持っている人が少なくない。

フィリピン・インド・ネパール・スリランカ——出身国の家族への送金は、個人の経済行動であり、同時に母国の経済を支える構造でもある。

送金規模の実態

世界銀行のデータによれば、オーストラリアは海外送金の主要送出国のひとつだ。送金先としては、フィリピン・インド・中国・ネパールなどが上位を占める。

フィリピンの場合、海外出稼ぎ労働者からの送金がGDPに占める割合は約8〜9%(世界銀行データ)。個人の送金が国家経済の一部になっている。

送金手段の変化

かつて銀行の国際送金は手数料が高く、着金まで時間がかかった。近年はWise(旧TransferWise)、Remitly、Western Union、MoneyGramなどのサービスが普及し、手数料・レートが改善されている。

Wiseは「実際の為替レート(ミッドマーケットレート)に手数料を上乗せ」する仕組みで、銀行送金より有利なレートが出やすい。ただし受取国の銀行インフラや現地規制によって利便性は異なる。

日本人の海外送金

ワーホリや留学後にオーストラリアで働き始めた日本人が、日本に貯金を送るケースもある。日本の銀行口座に受け取るのか、日本円に換算するのかによって使うサービスが異なる。

TAXリターン(年間の税金還付)を受け取った後に日本に送金する、というパターンも見られる。

送金とビザの関係

オーストラリアでは、永住権を持たない留学生やビザ保有者でも銀行口座を開設でき、国際送金ができる。ただし一定額以上の送金には銀行から「資金の出所」確認が入ることがある(マネーロンダリング対策)。

通常の給与からの送金で問題になることは少ないが、大きな金額を動かす場合は、銀行の方針を事前に確認しておく方が安心だ。

送金の「感情的な側面」

送金する側にとって、毎月の送金は単なる資金移動ではない。「家族を養っている」「母国との絆を保っている」という意味を持つことがある。

高い家賃を払いながら節約して、毎月一定額を親や兄弟に送り続ける——そういう生活を続けている人が、オーストラリアの「豊かな街」の中に存在している。

日本人にとってこの感覚は遠いかもしれないが、同じ職場の同僚がそういう生活をしているかもしれない、という想像力は、多文化社会で生きるひとつの手がかりになる。

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