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家主が3ヶ月ごとに家を「査察」に来る——オーストラリア賃貸の定期インスペクション制度

オーストラリアの賃貸では家主や不動産エージェントによる定期インスペクション(室内点検)が合法。頻度・テナントの権利・拒否できるケースを解説します。

2026-05-31
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この記事の日本円換算は、1AUD≒100円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(AUD)の金額を基準にしてください。

日本で賃貸に住んでいて、大家が3ヶ月に1回「部屋の状態を見せてください」と家に上がり込んでくる——と聞いたら、ほぼ全員が驚く。オーストラリアでは、これが法律で認められた制度だ。

Routine Inspectionとは

不動産管理会社(Property Manager)が、物件の状態を確認するために行う定期点検。NSW州では最初の入居から3ヶ月後、その後は6ヶ月ごと。QLD州では3ヶ月ごとに実施可能。VIC州は入居後3ヶ月、以降6ヶ月ごとだ。

初回以降の頻度事前通知
NSW3ヶ月後6ヶ月ごと7日前
VIC3ヶ月後6ヶ月ごと7日前
QLD入居後すぐ可3ヶ月ごと7日前
WA制限なし3ヶ月ごと7〜14日前
SA4週間後4週間ごと(実務上は3〜6ヶ月)7〜14日前

通知は書面(メールまたは手紙)で届き、日時が指定される。都合が悪ければ再調整を依頼できる。

何をチェックされるのか

点検は「物件の損傷がないか」の確認が目的で、所有物の中身を詮索するものではない。チェックリストには壁の傷、水漏れ、カビ、庭の手入れ(一戸建ての場合)、煙感知器の動作確認などが含まれる。

ただし現実には、「掃除が行き届いているか」も暗黙の評価対象になることがある。点検レポートに「清掃状態:改善が必要」と書かれると、退去時のボンド返還で不利になる可能性がある。

テナントの権利

インスペクション中、テナントは在宅する権利がある。「不在のまま入室してほしくない」と伝えれば、在宅時に再スケジュールされるのが通常だ。

拒否はできない。正当な事前通知があった場合に立ち入りを拒むと、Tribunal(裁判所に近い紛争解決機関)に持ち込まれることがある。ただし通知なしの訪問は違法で、テナントは拒否できる。

撮影は許可されている場合が多いが、プライベートな所有物(写真立て、書類等)を撮影されることに抵抗がある場合は、事前に管理会社に伝えておくと配慮されることもある。

日本人がつまずくポイント

日本の「入居したら自分の空間」という感覚と根本的に違う。オーストラリアの賃貸は「オーナーの資産を借りている」意識が強く、インスペクションはその延長線上にある。

対処法はシンプルで、点検前日に掃除をしておくこと。壁の傷やカビを見つけたら自分で報告(Maintenance Request)を出しておくと、「テナントが管理に協力的」という印象になり、契約更新時の交渉材料になる。

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