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オーストラリアの賃貸危機——シドニー・メルボルンで部屋を借りることの異常な難しさ

オーストラリアの賃貸市場は2022年以降から深刻な供給不足が続いている。空室率1%前後・競合10〜30組・内見当日申し込み必須という現実と、外国人が部屋を借りるための実践的戦略を解説。

2026-04-16
賃貸住居シドニーメルボルン住宅危機

この記事の日本円換算は、1AUD≒95円で計算しています(2026年4月時点)。

「家が見つからない」という話は、オーストラリアに来た人がほぼ全員が経験する洗礼だ。特にシドニー・メルボルンでは、2022年以降の賃貸市場の逼迫が続いており、内見に20〜30組が来ることが珍しくない。

数字で見る賃貸市場の現状

  • シドニーの空室率: 約1.1%(2024年時点、Domain.com.au調べ)
  • 週家賃の中央値(シドニー): 約700AUD/週(約66,500円/週)→月換算で約28万円
  • 週家賃の中央値(メルボルン): 約550AUD/週(約52,250円/週)

需要(移民・留学生の流入)が供給(建設戸数)を大幅に上回る状態が続いており、政府も対策を講じているが短期的な改善は難しい状況だ(出典:REIA Australia)。

競争に勝つための実践ルール

ルール1: 内見当日に申し込む 「もう少し考えます」は負けを意味する。内見当日に申込書(Application Form)を提出する準備を常に整えておく。

ルール2: 申込書を事前に完成させる 申込書に必要な情報(パスポート・ビザ・雇用証明・収入証明・過去の住所・リファレンス連絡先)は内見前にすべて揃えておく。

ルール3: 申込書に人間性を加える 多くの申込書には「カバーレター」を添付できる。「なぜこの物件に住みたいか・私はこんな人間です」を1段落書いて添付すると差別化になる。不動産エージェントは「問題を起こさない入居者」を選びたいため、信頼感を伝える内容が有効。

ルール4: リファレンス(推薦者)は即連絡がつく人を使う リファレンスとして記載した人に、エージェントが電話確認を入れることがある。事前に「連絡が来るかもしれない」と伝えておく。

外国人・新規到着者のハードル

オーストラリアの賃貸申込では現地の雇用・収入証明現地でのリファレンスが重視される。到着したばかりで雇用も銀行口座もない状態は最も不利だ。

対策:

  • 会社の内定レター・オファーレターを提示する(現地雇用主がいれば最強の証明)
  • 数ヶ月分の家賃前払いを申し出る(交渉次第だが、交渉材料になる)
  • ホームステイ・サービスアパートメントで一時滞在しながら探す(市場に焦って飛び込まない)
  • エージェントに直接連絡する(不動産会社の担当者と直接関係を作ると、一般公開前の物件情報をもらえるケースがある)

サービスアパートメントの活用

シドニー・メルボルンには、月単位で借りられるサービスアパートメントが存在する。家賃は割高(1BR:3,500〜5,000AUD/月)だが、ホテルより安く、住所として使える。

到着後1〜2ヶ月の拠点として使いながら、じっくり賃貸を探すのが現実的な戦略だ。

「日本の感覚でオーストラリアの賃貸を考えると詰む」——これは多くの在住者が口を揃えて言う。事前に仕組みを理解してから動くと、到着後のダメージが全然違う。

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