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オーストラリアのSuperannuation——強制積立年金の仕組みと出国時の受け取り

Superannuationはオーストラリアの強制積立年金。雇用主が給与の11.5%を積み立てる。外国人が帰国時にどう受け取れるか、DASP申請の手順と税率まで解説する。

2026-05-05
Superannuation年金税金帰国

この記事の日本円換算は、1AUD≒100円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨(AUD)の金額を基準にしてください。

オーストラリアで半年間働いた日本人が、帰国後に「自分の年金口座にAUD 3,000(約30万円)ある」と気づく。しかしこれを引き出そうとすると、65%が税金で持っていかれる——Superannuationの出国時精算は、知らないと損する仕組みです。

Superannuationの基本

Superannuation(通称Super)は、オーストラリアの強制積立年金制度です。1992年に導入されました。

雇用主は、月額AUD 450以上の給与を受け取る全ての従業員に対して、給与の一定割合をSuperannuation Fund(年金基金)に積み立てる義務があります。2024-25年度の拠出率は11.5%。これは2025年7月から**12%**に引き上げられる予定です。

例えば、年収AUD 70,000(約700万円)の場合、雇用主が年間AUD 8,050(約80万5,000円)をSuper口座に積み立てます。この金額は給与とは「別に」支払われます。給与から天引きではありません。

外国人にも適用される

Superannuationは国籍に関係なく、オーストラリアで働く全ての人に適用されます。ワーキングホリデービザ、就労ビザ、学生ビザ(就労許可付き)——いずれの場合も、雇用主はSuperを積み立てる義務があります。

問題は、このお金をいつ引き出せるかです。

オーストラリア市民・永住者: 原則として65歳まで引き出せません(preservation age)。一部の条件を満たせば早期引き出しが可能ですが、基本的にはリタイアメント資金です。

一時滞在の外国人: オーストラリアを出国し、ビザが失効した後に「DASP(Departing Australia Superannuation Payment)」として引き出せます。

DASPの申請手順

DASPは出国後・ビザ失効後に、ATO(Australian Taxation Office)のオンラインポータルから申請します。パスポートのコピー、Super Fund名と口座番号、TFN(Tax File Number)が必要です。申請から支払いまでは通常28日以内。

DASPの税率——ここが痛い

DASPで引き出す際の税率は以下の通りです。

構成要素税率
Tax-free component0%
Taxed element(WHビザ以外)35%
Taxed element(WHビザ)65%
Untaxed element45%

ワーキングホリデービザで働いた場合、積み立てられたSuperの課税部分に**65%**の税率が適用されます。AUD 5,000が積み立てられていても、手取りはAUD 1,750(約17万5,000円)程度になる計算です。

この税率は2017年に引き上げられたもので、批判もありますが、現時点で変更の見通しはありません。

帰国前にやるべきこと

Super Fundの統合: 複数の雇用主の下で働いた場合、異なるSuper Fundに分散していることがあります。myGovからATOにリンクし、帰国前に1つにまとめておくとDASP申請が楽になります。

TFNの確認: TFNがないとDASP申請ができません。渡航中に紛失しないよう記録しておくこと。DASPはビザが失効した後にしか申請できないため、帰国のタイミングも重要です。

日豪社会保障協定(2009年締結)により、オーストラリアでのSuper加入期間は日本の年金加入期間に通算可能です。帰国後にDASPの存在に気づいてもTFNやSuper Fund番号を紛失していると手続きが煩雑になります。オーストラリアを離れる前にSuper口座の情報を整理しておくのが最善の準備です。

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