オーストラリアの確定申告(Tax Return)——在住日本人がmyTaxで自分でやる方法
オーストラリアのTax Return(確定申告)をmyTax(ATO)で自分でやる手順を解説。TFN登録、PAYG、Medicare levy、スーパー還付、申告期限まで。
この記事の日本円換算は、1AUD≒95円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(AUD)の金額を基準にしてください。
オーストラリアでは、毎年7月1日から申告が始まる。
10月31日が個人申告の期限。この時期を逃すと、還付金を受け取れないだけでなく、ペナルティが発生するケースもある。難しそうに見えるが、会社員・ワーホリの単純な収入なら、myTaxで1〜2時間あれば完結する。
基礎知識:オーストラリアの税年度と申告の流れ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 税年度 | 7月1日〜翌年6月30日 |
| 申告開始 | 7月1日 |
| 個人申告期限 | 10月31日 |
| 税務署 | ATO(Australian Taxation Office) |
「Tax Return(タックスリターン)」はオーストラリアで確定申告を指す言葉。日本の「確定申告」より馴染みやすい言い方で、ワーホリから駐在員まで全員が毎年行う手続き。
まずやること:TFN(税番号)の登録
Tax File Number(TFN)は日本でいうマイナンバーに近い個人番号。オーストラリアで働くなら取得必須。
取得方法:
- ATOのウェブサイト(ato.gov.au)からオンライン申請
- 申請後、郵便でTFNが届く(数週間かかることがある)
TFNを雇用主に申告しないと、給与から最高税率(45%+Medicare levy 2%)で源泉徴収される。
PAYG(源泉徴収)を理解する
PAYG(Pay As You Go)Withholding は、雇用主が給与支払い時に源泉徴収する仕組み。
給与明細に記載されている「Tax Withheld」がPAYG相当。年末に雇用主がATO向けに「Payment Summary(旧称)」または「Income Statement」を提出するため、myTaxで申告する際に自動で数字が読み込まれるようになっている。
PAYGが多く引かれていた場合 → 申告後に還付(Refund)。 引かれた額が少なかった場合 → 追加納税(Tax Debt)。
myTaxで申告する手順
1. myGovアカウントを作成してATOをリンク
myGov(my.gov.au)はオーストラリア政府のポータルサービス。ATOをリンクすることでmyTaxにアクセスできる。
myGovアカウント作成に必要なもの:
- メールアドレス
- 電話番号(SMS認証)
ATOリンクには以下のいずれかが必要:
- TFN
- Bank account details(ATO登録済みの口座情報)
- 前年のNotice of Assessment番号
2. 申告する税年度を選択
7月1日以降にログインすると、当該税年度のTax Returnが表示される。
3. 収入情報の確認・入力
雇用主がATO経由でIncome Statementを提出していれば、「Income from employment」欄に自動入力される。通常は7月中旬〜末頃に確定する。
確認が必要な主な入力項目:
- Employment income(給与収入): 雇用主から報告されたデータを確認
- Bank interest(預金利子): 各銀行から通知が来る場合あり
- Government payments(政府給付): JobSeeker等受給者は入力
4. 控除(Deductions)を申告する
仕事に関連する費用は控除対象になる場合がある。代表的な項目:
- Work-related car expenses: 仕事での車使用(ログブック方式 or ATO標準レート)
- Work-related travel: 出張交通費
- Work-related uniforms/protective clothing: 制服・保護用具
- Home office expenses: テレワーク費用(ATO固定レート80セント/時間方式 or 実費計算)
- Self-education expenses: 現職に関連する研修・資格取得費
注意: 職場からの通勤費は原則として控除対象外。「仕事をする場所から別の仕事の場所へ移動」は対象になる。
5. Medicare Levyの確認
Medicare levyは2%(年収AUD 26,000程度以上の場合)。公的医療保険(Medicare)の財源。
永住者・市民権保持者はMedicare適用なので2%が課せられる。ワーホリや就労ビザ保持者(Medicareが適用されないビザ)は、ATO申告時に免除申請できる(Levy Reduction / Exemption)。
日本国籍保持者(オーストラリア市民権なし)の場合、ビザ種別によってMedicare levy免除の可否が変わる。日豪社会保障協定で一部適用関係がある(要確認:最新情報はATO公式で確認)。
6. 還付先銀行口座を入力
申告後、還付がある場合はオーストラリア国内の銀行口座(BSB番号 + 口座番号)に振り込まれる。入金まで通常2〜3週間程度。
スーパーアニュエーション(Super)の追加還付
Superannuation(スーパー) はオーストラリアの強制積立年金。雇用主は原則として給与の11%(2024年7月〜、年度により変更あり)をSuper口座に拠出する義務がある。
一時帰国・最終出国時のSuper還付
オーストラリアを永久に離れる場合(ビザ失効・帰国)、Departing Australia Superannuation Payment(DASP) として積み立て済みのSuperを受け取れる。
- 申請方法: ATOオンラインまたは書面で申請
- 税率: ワーホリはSuper残高の65%が源泉税として引かれ、残り35%が支払われる(要確認:税率はビザ種別・制度変更で変わるためATOの最新情報を確認)
- 申請タイミング: ビザ失効後に申請可能
申請を忘れたまま帰国した場合でも、後から申請できる(ATOはSuper未請求資産を保管している)。
申告期限まとめ
| 状況 | 申告期限 |
|---|---|
| 個人で申告する場合 | 10月31日 |
| 税務代理人(Tax Agent)を使う場合 | 翌年5月15日まで延長可能 |
複雑なケース(投資所得・ABN事業所得等)や、自力で入力に迷う場合は、Tax Agentへの依頼という選択肢がある。費用はAUD 100〜300程度(要確認)。
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