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教育

留学生がオーストラリア経済を支えている:年間4兆円産業の実態

オーストラリアの教育輸出産業の規模と構造。大学・語学学校・VETへの留学生依存と、日本人留学生の位置づけを解説。

2026-04-12
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この記事の日本円換算は、1AUD≒95円で計算しています(2026年4月時点)。

オーストラリアの教育輸出産業は、年間約400億AUD(約3.8兆円)規模に達している(2023年頃のピーク時)。鉄鉱石・石炭に次ぐ輸出産業として「エデュケーション・エクスポート」と呼ばれる。大学・VET(職業教育)・ELICOS(英語語学学校)を合わせると、留学生数は50万人超の規模だ。

大学財政の留学生依存

オーストラリアの大学は連邦政府からの補助金に加え、留学生授業料が主要な収入源になっている。国内学生の授業料は政府規制で上限があるが、留学生には市場価格が適用され、年間3〜5万AUD(285〜475万円)が一般的だ。

中国・インドからの留学生が大半を占め、中国人留学生が多い大学では「もし中国からの留学生が来なくなったら」が経営リスクの議論として繰り返されている。2020年のコロナ・米中関係悪化でまさにそれが現実になり、一部大学はリストラを余儀なくされた。

語学学校(ELICOS)の市場

ワーキングホリデーの日本人の多くが、渡航直後にELICOS(English Language Intensive Courses for Overseas Students)に通う。シドニー・メルボルン・ゴールドコースト・ケアンズなどに多数の語学学校がある。

料金は週200〜400AUD(19,000〜38,000円)程度で、2〜3ヶ月通う人が多い。日本でELICOS の認定校を探す場合はCRICOS(Commonwealth Register of Institutions and Courses for Overseas Students)への登録が必須で、未登録校では学生ビザが取れない。

VET(職業教育)と就労ビザへの道

料理・IT・介護・建設関連のVETコースを修了すると、卒業生向けビザ(Subclass 485)で数年間オーストラリアに残れる。これを利用して職歴を積み、永住権につなげるルートが確立している。

VETの中には不正・粗悪なコースが問題になったこともあり、ASQA(オーストラリア品質技能機関)が認定する機関かどうかの確認が重要だ。

日本人留学生の変化

かつて日本はオーストラリアへの留学生送出国として上位だったが、2010年代以降は中国・インドに押されて順位を下げた。それでも年間2〜3万人規模の日本人が学生ビザで滞在している。

英語圏でありながら比較的安全・清潔・自然が豊かというブランドは変わらず、高校生・大学生の交換留学・夏季語学研修の行き先として根強い人気がある。親世代が「若い頃オーストラリアへのワーホリで英語を学んだ」という人も増え、子どもを同じ国に送り出す流れも生まれている。

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