パートナービザ(820/801)——事実婚と証明書類の現実
オーストラリアのパートナービザ(820/801)は取得が長期にわたる複雑なプロセスだ。オーストラリア市民・永住者のパートナーとして申請する在住日本人向けに、必要書類・審査期間・事実婚の証明方法を解説。
この記事の日本円換算は、1AUD≒100円で計算しています(2026年4月時点)。
オーストラリア市民・永住者のパートナーと一緒に住んでいる——その場合に使われるのがパートナービザだ。婚姻届けを出した配偶者だけでなく、事実婚(de facto)の関係にある場合も対象になる。ただし書類の量と審査期間の長さで、「ビザの中で最も消耗する」と言われることがある。
820・801の違い
パートナービザは2段階の申請構造になっている:
- Subclass 820(Temporary): 申請後に一時的な在留資格として認められるビザ
- Subclass 801(Permanent): 一定期間後に永住許可へ移行する
820と801は同一申請で同時に申し込む。820が承認されたあと、パートナーシップが継続していることを証明して801に切り替わる仕組みだ。通常、820承認から801への移行は2年後(申請時にすでに2年以上の関係がある場合は早められる可能性がある)。
審査期間は申請から820承認まで12〜36ヶ月程度かかるケースが多く、2024〜2025年時点では処理の遅れが続いている(出典:Home Affairs Processing Times、豪移民局公式)。
申請費用
2025〜2026年時点でのビザ申請手数料の目安は約8,850AUD(88万5,000円)(出典:豪内務省公式サイト)。申請代行の移民エージェントに依頼すると追加で3,000〜6,000AUD(30〜60万円)程度かかることがある。
最大の難関——「関係の証明」
事実婚(de facto)での申請が特に複雑なのは、法的な婚姻証明書がないため「実際に一緒に生活していること」をあらゆる角度から証明する必要があるからだ。
求められる証拠のカテゴリ(出典:豪内務省ガイダンス):
- 財政(Financial): 共同口座・賃貸契約の共同名義・光熱費の共同負担
- 居住(Household): 同一住所での住民登録・共有スペースの写真
- コミットメント(Commitment): 交際歴を示す記録・双方の親族への紹介の証拠
- 社会的認知(Social): 友人・職場の同僚からの推薦状(「このカップルを知っている」という内容)
推薦状は英語で2〜3人分準備することが一般的で、在住日本人の場合「英語で親族・友人に推薦状を書いてもらう」というハードルが加わる。
申請中の在留
820ビザが承認される前の「申請中(Bridging Visa A/B)」の状態でも、条件付きで就労・在留が許可される。ただし海外渡航にはBridging Visa Bの取得が別途必要になる(申請費用あり)。
処理期間が2〜3年に及ぶため「申請中に何度も日本に帰省したい」という場合は、Bridging Visa Bを都度申請するか、状況によっては短期ビザを並行して検討するケースもある。移民エージェントへの相談を強くお勧めする。