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ワーホリで稼げると思っていた。現実は違った

オーストラリアのワーキングホリデーは「稼げる」と言われる。時給は高いが、家賃・食費・税金を引くと手元に残るのはいくらか。数字で現実を見る。

2026-04-13
ワーキングホリデーオーストラリア生活費仕事

この記事の日本円換算は、1AUD≒96円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。

「オーストラリアのワーホリで1年間で200万円貯めた」という話が、SNSに定期的に流れてくる。本当だろうか。

農場で週6日働いた人、都市部でカフェのバリスタをした人、それぞれ現実は全く違う。「高時給」は正しい。でも「稼げる」かどうかは別の話だ。

時給の現実

2026年のオーストラリア連邦最低賃金は時給AUD24.10(約2,314円)だ。日本の最低賃金(全国平均約1,055円)の約2倍にあたる。

ただしこれは税引き前の数字。ワーホリビザ保持者のほとんどは「非居住者」として課税され、税率は最初の課税所得AUD120,000まで一律32.5%が適用される。日本の給与税の感覚でいると大きく誤算する。

時給AUD24で週40時間働いた場合の月収はAUD4,160(約399,360円)。税引き後はざっくりAUD2,808(約269,568円)になる。

支出の現実

シドニーかメルボルンに住む場合、シェアハウスの相場は週AUD250〜350。つまり月AUD1,000〜1,400(約96,000〜134,400円)が家賃だけで消える。

食費を自炊ベースで月AUD400(約38,400円)、交通費が月AUD150(約14,400円)とすると、手取りAUD2,808から支出合計AUD1,550〜1,950を引いた残りは、月AUD850〜1,250(約81,600〜120,000円)だ。

1年間で貯められる額は、この計算では100〜150万円程度。「200万円貯めた」話は、農場やリゾートで寮費込みの仕事をして支出を極端に抑えた人のケースが多い。

農場とファームワークの実態

セカンドビザ(2年目の延長)を取得するには、地方での農業・漁業などの指定業務を88日間行う必要がある。多くのワーホリ参加者がこの条件のために農場に行く。

ファームの時給は最低賃金以上が原則だが、出来高払いのところも多い。トマト農家でキャリア初日から安定して最低賃金以上稼ぐのは難しいという声は多い。寮費・食費が引かれ、実際の手取りが少なかったという経験談も珍しくない。

ただし、地方農場で生活費を抑えつつ働けばシドニーより貯金は増やしやすい。都市で「楽しみながら稼ぐ」より農場で「目的を持って稼ぐ」ほうが金銭的には合理的という見方もある。

英語力への影響

ワーホリで英語が上手くなるかは、環境による。日本人コミュニティが多い日系レストランやカフェで働くと、英語を使う機会が限られることがある。

一方で地元のパブやホテルのフロントなど、英語が必須の職場を選ぶと確実に実力は伸びる。語学学校(有料)に通わずとも、職場環境の選び方で英語力の伸びは大きく変わる。

キャリアへの影響

帰国後のキャリアへの影響は、日本の就活市場次第で変わってきている。「ギャップイヤー」的な扱いから、「異文化適応力・自律行動力の証明」として評価する企業も増えた。

ただし「1年間ワーホリをしました」だけでは差別化にならない。英語で何ができるか、どんな実務経験を積んだか、という具体的な話が求められるようになっている。

現実的な期待値

ワーホリは「お金を大量に貯める手段」ではなく、「日本と違う環境で働く体験をしながら、それなりに生活できる期間」として捉えるほうが近い。

都市部で普通に生活すれば、年間100万円前後の貯金が現実的な目安だ。農場中心なら150〜180万円も不可能ではない。「200万円貯めた」話は再現性の低いケースと見ておくほうがいい。

何を得たいかを明確にして行く人と、「なんとなく稼げそう」という期待だけで行く人では、同じオーストラリアで全く違う1年になる。

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