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カナダで熊スプレーを携帯するのは合法か——野生動物と法律の境界線

カナダでは熊スプレーの携帯が合法だが、人に向けると犯罪になる。グリズリーとブラックベアの対処法の違い、州ごとの野生動物遭遇リスク、購入場所まで。

2026-05-29
野生動物アウトドア安全法律

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カナダの国立公園で「Bear Spray Sold Here」の看板を見て、一瞬アウトドアショップのジョークかと思った——という日本人は少なくない。ジョークではない。BC州やアルバータ州のハイキングでは、熊スプレーは水筒と同じくらい当たり前の装備だ。

グリズリーとブラックベア、対処法が真逆

カナダには推定約25,000頭のグリズリーベアと約380,000頭のブラックベアが生息している(Environment and Climate Change Canada)。

グリズリーに遭遇した場合、走って逃げてはいけない。ゆっくり後退し、攻撃されたら地面に伏せて首の後ろを手で守る(死んだふり)。グリズリーは防御的に攻撃していることが多いため、脅威がなくなったと判断すれば去っていく。

ブラックベアは逆だ。死んだふりは通用しない。大声を出し、体を大きく見せ、反撃する。ブラックベアの攻撃は捕食目的であることが多いため、受け身になると危険度が上がる。

熊スプレーの法的位置づけ

カナダでは熊スプレーはPest Control Productとして合法的に販売・携帯できる。Canadian Tire、MEC、Cabela's等のアウトドアショップで$30〜$50(約3,360〜5,600円)で購入可能。

ただし、熊スプレーを人に対して使用すると、Criminal Codeの武器使用に該当し、最大で10年の禁固刑の対象になる。ペッパースプレー(人間用の催涙スプレー)はカナダでは「prohibited weapon」として所持自体が違法だ。見た目は似ているが、法的な扱いは全く異なる。

都市部での野生動物

バンクーバー北部のノースショアではブラックベアが住宅地に出没する。ゴミの日にベアプルーフのゴミ箱を使わないと罰金の対象になる自治体もある。

カルガリーやエドモントンでもコヨーテの目撃は日常的。犬の散歩中にコヨーテと遭遇するケースがあり、特に春の子育てシーズンは注意が必要だ。

ハイキング時の基本対策

鈴(Bear Bell)をつける、集団で歩く、食料を密閉容器に入れる——基本はシンプルだ。国立公園のバックカントリーでは、食料を吊り下げるBear Hang(木に吊るす)かBear Canister(密閉容器)の使用が義務付けられている。

熊スプレーの有効射程は約7〜9メートル。風向きを確認せずに噴射すると自分が被弾する。購入したら一度、屋外で安全な状態で噴射練習しておくと、いざというとき1〜2秒の判断が変わる。

Parks Canadaの統計では、熊スプレーを使用した場合の熊による負傷回避率は約92%。銃器での防御成功率(約67%)より高い。スプレーの方が命中精度を必要としないからだ。

日本の山歩きでは熊鈴が定番だが、カナダのバックカントリーでは熊スプレーがその位置にある。CAD 40の出費をケチるものではない。

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