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カナダの保育事情——待機と費用の現実

カナダで子育てをする在住日本人が直面する保育の課題。都市別の保育費用、待機問題、連邦政府の$10/day政策の現状と在住者の実態をまとめます。

2026-04-21
子育て保育生活費

この記事の日本円換算は、1CAD≒110円で計算しています(2026年4月時点)。

カナダで子どもを産んだ・連れてきた在住日本人が最初に直面するのが、保育費の高さと待機の長さです。日本の保育制度とは仕組みが根本的に異なります。

カナダの保育制度の基本

カナダの保育(Child Care / Daycare)は連邦ではなく州の管轄です。各州によって制度・補助金・費用が異なります。

最も話題になるのはケベック州です。ケベック州には長年の歴史を持つ補助制度(Subsidized Daycare / CPE: Centre de la petite enfance)があり、補助を受けた施設では1日約$9〜10(約990〜1,100円)という低価格が維持されています。ただし、ここにも待機リストがあります。

他の州(オンタリオ、BC州等)では民間デイケアが中心で、連邦政府の補助前は都市部での月額費用が以下の水準でした(2022〜2023年時点)。

都市月額費用(乳幼児)円換算(概算)
トロント$1,800〜2,500約19.8〜27.5万円
バンクーバー$1,700〜2,200約18.7〜24.2万円
カルガリー$1,400〜1,900約15.4〜20.9万円

これが共働きの在住者にとって大きな負担になっていました。

$10/day政策の現状

2022年に連邦政府が発表した「$10/day child care」政策は、2026年までに全国で保育費を1日$10(約1,100円)に近づける目標を掲げています。カナダ連邦政府(Government of Canada)によれば、参加施設では平均保育費が大幅に削減されているとされています。

ただし、現実には以下の課題があります。

  • 政策の恩恵を受けるには**認可施設(licensed daycare)**に入ることが必要
  • 認可施設への入所には依然として長い待機リストがある(トロントで1〜3年待ちも珍しくない)
  • 民間の無認可施設は価格補助の対象外

補助を受けた施設に入れれば費用は大きく下がりますが、その恩恵にアクセスできるかどうかが問題になっています。

在住日本人の実態

カナダに赴任・移住した日本人家族の多くが取る選択肢は以下のとおりです。

  1. ナニー(Nanny)の雇用:月額$2,000〜3,500(約22〜38.5万円)程度。政府の「Home Child Care Provider」プログラムでナニーに就労許可が出る制度もあります
  2. 認可施設の待機リストに早期登録:妊娠中から複数施設に登録しておく
  3. コミュニティセンターや非営利デイケアの活用:民間よりやや安い場合がある
  4. 日系コミュニティのネットワーク活用:日本語対応の施設・ナニーの情報交換

カナダでは産後の有給育休(Employment Insurance:EI)が最大18ヶ月利用できます(通常産休12ヶ月 or 延長18ヶ月、給付率が異なる)。保育施設が見つかるまでの時間稼ぎにもなりますが、復職後の保育手配は早期に動き出す必要があります。

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