カナダの食料品代はなぜ高いのか——食料インフレと「シュリンクフレーション」の現実
2022〜2024年、カナダの食料品価格は急騰した。卵・牛乳・野菜の価格が数年で30〜50%上がったケースも。食料インフレの構造的な原因と、カナダ人が対応している節約術を解説。
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カナダに来た直後、スーパーマーケットでカルチャーショックを受ける日本人が増えている。「野菜が高い」「卵がこんなにするのか」——感覚は正しい。
2022〜2024年にかけて、カナダの食料品価格は顕著に上昇した。
どの程度上がったか
カナダ統計局(Statistics Canada)のデータによれば、食料品インフレ率は2022〜2023年に年率8〜10%台に達した。特に卵・野菜・肉類・乳製品の上昇幅が大きかった。
乗用車と異なり、食料品の価格上昇は毎週のように体感される。「先月より高い気がする」という感覚は、統計的にも正しかった。
なぜ高くなったのか
理由は複合的だ。
ウクライナ危機による小麦・肥料の供給不安。コロナ禍での物流コスト上昇。カナダドル安による輸入食品の値上がり。燃料コスト(炭素税含む)の増加。乳製品・鶏卵への「供給管理(Supply Management)」制度——政府が価格下限を設定し競争を制限する政策——が価格に上限・下限をかけてきた。
カナダのSupply Management(乳製品・卵・鶏肉の価格保護制度)は農家を守る一方で、消費者が国際価格より高い値段を支払う構造を作り出している。WTOでも批判の対象になってきた。
シュリンクフレーション
価格が上がるだけでなく「量が減って値段据え置き」という「シュリンクフレーション」も問題になった。
チップスの袋が小さくなった、ジュースの容量が減った、チーズの重量が変わった——気づきにくい形での実質値上げだ。カナダ消費者庁はこうした事例の告発を受け付けるようになっている。
消費者の反応
カナダ人の食料品節約術が発達した。割引アプリ(Flipp)でチラシをまとめて確認し、複数のスーパーをはしごする。No Name(ノーブランド品)やPresident's Choice(ローブランド)への切り替えが増えた。フードバンクの利用者数が増加した(複数の報道による)。
在留日本人も例外ではない。「日本食材だけで食費を組もうとすると高い」という声は多い。ローカルの野菜・豆類・冷凍食品をベースにしながら、日本食材は調味料・ソース類に絞るという組み合わせが実用的な節約策になる。