ティムホートンズVSサードウェーブ——カナダのコーヒー文化の分断
カナダの国民的コーヒーチェーン・ティムホートンズと、バンクーバー発のサードウェーブコーヒー文化。2つの「カナダのコーヒー」が共存する構図と、在留外国人の場所の見つけ方。
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カナダ人と「コーヒー」の話をすると、まずティムホートンズ(Tim Hortons)の名前が出てくる。でもバンクーバーのカフェに入ると、シングルオリジンのエチオピア産豆を丁寧にハンドドリップしている姿がある。
どちらも「カナダのコーヒー」だが、全く違う世界だ。
ティムホートンズという「国民儀礼」
ティムホートンズは1964年にカナダで創業したコーヒー・ドーナツチェーンだ。現在はカナダ全土に4000店以上(推定)。「ダブルダブル(砂糖2つ・クリーム2つ入りのコーヒー)」はカナダ人なら誰でも知る注文方法だ。
朝のドライブスルーの行列、工事現場のティムホートンズのカップ、コンビーニ替わりの使い方——これらは「カナダらしさ」の象徴として語られる。ただし2014年にアメリカのバーガーキングの親会社(RBI)に買収されて以降、「本当にカナダの会社なのか」という議論も続いている。
価格は安い。コーヒー1杯が2〜3カナダドル(約226〜339円)前後で、スターバックスの半分以下だ。
バンクーバー発の特別な地位
カナダのサードウェーブコーヒーシーンで最も存在感があるのはバンクーバーだ。Revolver、Prototype、49th Parallel(ビーコンヒル)といったロースタリー・カフェが国際的な評価を受けている。
バンクーバーのコーヒー文化はアジア(特に日本・台湾・韓国)からの影響を受けており、丁寧なドリップ・ラテアート・マッチャドリンクが充実している。日本のカフェ文化との親和性が高い。
価格は高い。スペシャルティコーヒー1杯が6〜8カナダドル(約678〜904円)前後になることも珍しくない。
トロントのカフェシーン
トロントもカフェ激戦区だ。Sam James Coffee Bar、Pilot Coffee Roasters、Intelligentsia(シカゴ発だがトロントに展開)など個性的なカフェが点在する。
ケセズ区(Kensington Market)やリトルポルトガル、ダンフォース沿いなどのエリアにカフェが集まる。日本人が多く住むノースヨーク(フィンチ周辺)にも日系・アジア系のカフェがある。
在留日本人の「居場所」
カフェは在留日本人にとって重要な「第三の場所」だ。仕事の打ち合わせ、友人との待ち合わせ、リモートワークの拠点になる。
ティムホートンズはWi-Fiの接続品質にバラつきがある。スペシャルティカフェの方が作業環境として充実していることが多いが、長時間いても追い出されないかは店によって異なる。オーダーせずに席を占有することへの目線はカナダでも厳しくなっている。