カナダ人はドライブスルーに異常に忠実——ティム・ホートンズの列は冬でも30分待ち
カナダのドライブスルー文化はアメリカ以上に根深く、特にティム・ホートンズへの執着は国民的な現象だ。在住者が驚く車社会のルーティンと、その背景にある文化を解説する。
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カナダに来てすぐ気づくことがある。ティム・ホートンズのドライブスルーに、朝7時から10〜15台の列ができている。しかもその列が冬の−20℃でも変わらない。店内で注文すれば待ち時間5分のところを、ドライブスルーで30分待っているカナダ人が何人もいる。
なぜそこまでドライブスルーにこだわるのか。これはティム・ホートンズだけの話ではなく、カナダ全体の車文化と結びついている。
カナダのドライブスルー依存
カナダの都市郊外(サバーブ)は車なしでは生活しにくい設計になっている。広大な駐車場と幹線道路沿いに店が並ぶ「ストリップモール」が主要な商業エリアで、歩いて買い物に行ける距離に何もないことが多い。
ドライブスルーは「車から降りなくていい」という効率性だけでなく、「カーシートに乗せた子どもを起こさなくていい」「冬に上着を着込まなくていい」という実用的な理由で選ばれる。
ティム・ホートンズの地位
「ティムズ(Tims)」の愛称で親しまれるティム・ホートンズは、カナダ全国に4,000店以上(推定)の店舗を持つコーヒーチェーンだ。価格は手頃で、レギュラーコーヒーが2CAD(約226円)前後。スターバックスの半分以下の価格だ。
「ティムホーンズに行くのはカナダ人のアイデンティティ」という言説が定着しており、政治家が選挙活動中にドライブスルーに立ち寄る写真を撮ることも多い。
行列の暗黙ルール
ドライブスルーの列に割り込むことは非常にマナー違反とされる。駐車場内の車の動線を塞いでいても、列に加わる車は列の先頭に回り込んだりしない。スローモーションで礼儀正しく順番を守るのがカナダ式だ。
在住者の選択
都市部(トロント・バンクーバーのダウンタウン)ではドライブスルーは少なく、カフェでの注文が主流になる。地下鉄やバスで通勤する人はティムズのドライブスルーより店内注文や持ち帰りカウンターを使う。
郊外に住む場合、朝のドライブスルーがルーティン化する人は多い。ダブルダブル(コーヒーにクリームと砂糖を2つずつ)と呼ばれる注文の仕方を覚えると、少しカナダ人に近づいた気がする。