カナダ移民局(IRCC)の積滞問題——申請して1年待つとはどういうことか
カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)の審査積滞は2020年代の慢性的な問題だ。永住権・配偶者ビザ・市民権申請が数か月〜2年待ちになる現実と、その中で当事者ができることを整理する。
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「申請から1年、まだ審査結果が来ない」——カナダ移民局(IRCC)への申請を経験した人なら、一度は味わう感覚だ。
カナダの移民審査の積滞(バックログ)は、特にコロナ禍以降で深刻化し、2022〜2023年には数百万件規模の未処理案件があったとされる(IRCC発表・報道ベース)。
各カテゴリの標準処理時間
IRCCのウェブサイトでは申請カテゴリ別の「標準処理時間(Service Standard)」が公表されている。
2024〜2026年時点での目安(変動するため必ず最新のIRCC公式サイトで確認):
- 配偶者スポンサーシップ(国外からの申請):12〜24か月(時期によって大きく変動)
- 配偶者スポンサーシップ(国内申請):12〜18か月程度
- Express Entry(連邦スキルドワーカー等):インビテーション後6か月程度
- カナダ市民権申請:12〜24か月
数字は変動するが「数か月待ち」が最低ラインと考えておく必要がある。
バックログはなぜ生まれたか
コロナ禍での業務停止・在宅移行によって審査が大幅に遅れた。回復後も採用・研修の遅れで処理能力が追いつかなかった。
同時期にカナダ政府は移民受入目標を引き上げ、申請数が増えた。需要と供給のミスマッチが積滞を生んだ。
IRCCのオンラインシステムの不具合や書類不備による追加資料要求(PFL: Procedural Fairness Letter)が処理を遅らせるケースも報告されている。
申請者ができること
「待つだけ」が基本だが、状況の把握と対応は必要だ。
MyCICアカウントでオンラインステータスを定期確認する。処理が長すぎる場合、「ウェブフォーム」でIRCCに直接照会できる(標準処理時間を超えた後に限る)。
地元の国会議員(MP)事務所に問い合わせると、IRCC担当部署への問い合わせを代行してくれることがある。
RCIC(移民コンサルタント)や移民弁護士に依頼すれば、申請書類の不備を最小化し、処理遅延リスクを下げることができる。
ビザの有効期限と「維持申請」
現在のビザ(就労許可・学生ビザ)の有効期限内に次の申請を出すことが「継続申請(maintained status)」の条件になる。有効期限が切れる前に更新申請を出せば、結果が出るまで現在のステータスが維持される(implied status)。
有効期限の管理は自己責任だ。期限ギリギリでの申請は積滞状況次第では危険なので、早めに動くことが基本だ。