エクスプレス・エントリー——カナダ永住権申請の仕組みとCRSスコア
カナダ永住権の主要ルートであるExpress Entry制度を解説。CRSスコアの計算方法、日本人に有利な点と不利な点、最低スコアの推移と対策を詳しく説明。
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カナダへの移住を考えたとき、多くの人が最初に行き着くのが「Express Entry」というキーワードだ。カナダの主要な永住権申請ルートで、スコア制による点数で招待状が発行される仕組みだ。問題は、そのスコアのハードルが近年急上昇していることだ。
Express Entryとは何か
Express Entryは、カナダ連邦政府が運営する永住権申請管理システムで、主に以下の3つのプログラムを対象にしている:
- Federal Skilled Worker Program(FSWP):海外の職歴・学歴・英語力重視
- Canadian Experience Class(CEC):カナダ国内の就労経験1年以上
- Federal Skilled Trades Program(FSTP):特定技能職種向け
まずExpress Entryのプールに登録し、スコア(Comprehensive Ranking System: CRS)が高い順に招待状(ITA: Invitation to Apply)が発行される。招待状を受け取った後、永住権申請を行う。
CRSスコアの内訳
CRSスコアは最大1,200点で構成される(核心因子のみの場合は最大600点)。
主な評価項目(核心因子):
| 項目 | 最大点数(配偶者あり) |
|---|---|
| 年齢 | 100点 |
| 学歴 | 140点 |
| カナダ国内の就労経験 | 70点 |
| 英語力(IELTS等) | 150点 |
| フランス語力 | 30点(英語+の場合) |
| 国外就労経験 | 50点 |
配偶者のスコア、カナダ国内学歴、州政府推薦(PNP)などで追加点を得られる。
最低招待スコアの推移
CRS最低招待スコア(Minimum CRS Score)は、ドロー(抽選回)ごとに変動する。2023〜2024年にかけては490〜530点台での招待が多く、一時期500点超が続いた。
2025年以降はカテゴリー別ドロー(職種・ヘルスケア・STEM等)が増え、特定分野のプロフェッショナルに有利な構造になっている。
日本人にとって課題になりやすいのは「英語力」と「フランス語力」のスコアだ。IELTS 8.0以上のスコアが取れると英語スコアが大幅に上がるが、ネイティブ並みのスコアが求められる。
日本人が取りやすい加点
- フランス語学習:TEF Canadaでスコアを取れると最大+50点(英仏バイリンガル)の加点が得られるケースがある。フランス語ができる日本人は少ないため、差別化になる
- カナダ国内就労(CEC):学生ビザ後にポストグラデュエートワークパーミット(PGWP)でカナダで働く → CEC対象になる
- 州政府推薦(Provincial Nominee Program: PNP):各州が独自のプログラムで推薦すると+600点が加算され、事実上招待が確定する
申請から永住権取得までの流れ
- Express Entryプール登録(無料)
- CRSスコアが招待基準に達するとITA(招待状)発行
- ITAから60日以内に永住権申請書類を提出
- 処理期間:申請から約6ヶ月(政府目標)
- 承認 → 永住権(PR)ランディングペーパー取得
政府はExpress Entryの処理時間目標を6ヶ月としており、実際にはそれより早いことも遅いこともある(IRCC公式サイトで現在の処理時間を確認できる)。
まず何から始めるか
Express Entryへの準備として現実的な最初のステップは「英語力の測定」だ。IELTSを受験してスコアを把握するだけで、現在の自分のCRS概算点数が計算できる(CRSオンライン計算ツールはIRCCの公式サイトに無料で公開されている)。
スコアが足りなければ何を伸ばすべきかが見えてくる。そこから逆算してカナダ移住の計画が立てられる。