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カナダの労働法——「退職の自由」と「解雇への補償」が両方強い理由

カナダの労働法は従業員保護が厚い。解雇予告・退職金・有給休暇の義務——日本と異なるルールを理解しないと、雇用主としても労働者としても損をする。州ごとに異なる制度の概要を解説。

2026-06-29
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「日本は解雇が難しい国」と言われるが、カナダも「解雇にコストがかかる」国だ。ただしその仕組みが全く違う。日本は「解雇できない」側に傾いているとすれば、カナダは「解雇はできるが、補償を払え」という仕組みだ。

州ごとに異なる労働法

カナダの労働法は主に州の管轄だ。連邦規制は銀行・航空・通信・鉄道などの「連邦規制業種」にのみ適用される。

オンタリオ州ならEmployment Standards Act (ESA)、BC州ならEmployment Standards Act (BC ESA)、ケベック州ならLoi sur les normes du travail——それぞれに最低基準が定められている。

以下はオンタリオ州(カナダ最多人口)を中心とした概要だ。

最低賃金と有給休暇

オンタリオ州の最低賃金は2024〜2025年時点で17.20カナダドル/時間(2026年も段階的引き上げが続く予定)。BC州も同程度か上の水準だ(年度によって変動するため最新情報を確認)。

有給休暇は雇用初年度は最低2週間(一定の勤続後に3週間に増える場合が多い)。日本の有給10日と比べると少ないが、病気休暇(Sick Leave)が法定で保障されており(オンタリオ州では年3日)、有給との組み合わせで運用する。

解雇と「ノーティス(予告)」

カナダでは「不当解雇(Wrongful Dismissal)」への補償が発達している。「Just Cause(正当な理由)」なしに解雇する場合、雇用主は勤続年数に応じた解雇予告(Notice)または予告期間相当の給与(Pay in lieu)を支払う義務がある。

コモンロー(判例法)では法定最低を超える補償が命じられることがあり、勤続5年以上の管理職が解雇された場合に数か月〜1年分の給与相当の補償が認められる判例もある。

従業員としての権利

「辞める自由」も保障されている。日本では慣習的に「1〜2か月前の申告」が求められるが、法的には「合理的な予告(Reasonable Notice)」が必要なのみで、企業規模・業務の特殊性によって異なる。

ハラスメント(職場での嫌がらせ)は各州の法律で保護され、使用者の対応義務が明確化されている。オンタリオ州はWorkplace Safety and Insurance Act(WSIA)とOccupational Health and Safety Act(OHSA)でカバーされる。

在留外国人も就労ビザで働いている限り、カナダの労働法の保護を受ける。就労先で不当な扱いを受けた場合は、州の労働基準局(Employment Standards office)に相談できる。

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