カナダの住宅ローン「更新地獄」——5年ごとに金利が変わる仕組みの衝撃
カナダの住宅ローンは通常5年ごとに金利を「更新(renewal)」する。2022〜2023年に金利が急上昇した結果、更新のたびに月々の返済額が倍増する人が続出した。この仕組みを解説する。
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日本で住宅ローンを組むとき、35年固定金利という選択肢がある。35年間、毎月の返済額は変わらない。
カナダはそうではない。
カナダのモーゲージは「期間が短い」
カナダの住宅ローン(Mortgage)は、アモートタイゼーション(全体の返済期間)が25〜30年のことが多いが、「Term(金利固定期間)」は5年が最も一般的だ。
つまり「最初の5年間はX%の固定金利で払い、5年後に市場金利ベースで新しい条件に更新する」という仕組みだ。更新時は銀行との再交渉になる。
2022〜2023年の「更新の壁」
2020〜2021年、カナダの政策金利は0.25%という歴史的低水準にあった。この時期に5年固定で住宅ローンを組んだ人々は、例えば1.7〜2.5%程度の低金利を享受していた。
2022年以降、インフレ抑制のためカナダ銀行は急激に利上げを実施した。政策金利が5%超になったことで、更新時の住宅ローン金利は5〜6%台に跳ね上がった。
月々の返済額が500〜1000カナダドル(約5万6500〜11万3000円)増えた家庭も珍しくない。「毎月の支払いが増えて生活が回らなくなった」という話は2023〜2024年に多くのメディアで報じられた。
変動金利と固定金利の選択
カナダのモーゲージには変動金利(Variable Rate)と固定金利(Fixed Rate)の選択肢がある。変動金利は政策金利に連動して毎月変わる。固定金利は選んだTermの間は変わらない。
金利が低い時期は変動金利を選ぶと得になるが、金利上昇時はリスクになる。この選択は「賭け」の側面があり、専門家でも予測は難しい。
外国人・移民が住宅ローンを組む際の注意点
永住権保持者はカナダ市民と同様の条件でモーゲージを申請できることが多い。就労ビザ保持者は難易度が上がり、頭金の割合が高くなる場合がある。
新移民はカナダでの信用履歴(クレジットスコア)が薄いため、金利が高くなることがある。クレジットカードを早い段階で作り、適切に使うことでスコアを積み上げる戦略が有効だ。
住宅購入を検討する際は、モーゲージブローカー(複数の銀行から最良条件を探す仲介者)に相談することが一般的だ。