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カナダの新移民定住支援サービス——無料で使える公的プログラムの全体像

カナダには永住権取得者・難民向けの無料定住支援サービスが全国に存在します。語学教育、就職支援、住居探しまでカバーする制度の使い方をまとめます。

2026-05-13
定住支援移民サービスIRCC

この記事の日本円換算は、1CAD≒112円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(CAD)の金額を基準にしてください。

カナダには「Settlement Services」と呼ばれる、新移民向けの無料定住支援プログラムがあります。連邦政府(IRCC: Immigration, Refugees and Citizenship Canada)が資金を提供し、全国の非営利団体が運営しています。永住権保持者と条約難民が対象で、費用は一切かかりません。

支援の対象者

Settlement Servicesを利用できるのは以下の人々です。

  • 永住権(PR)保持者
  • 条約難民・保護対象者
  • カナダ市民権の申請中の人

ワーキングホリデーや就労ビザ(Work Permit)の保持者は、連邦の Settlement Services の対象外です。ただし、一部の州(オンタリオ州、ブリティッシュコロンビア州等)では、州独自の予算で一時滞在者向けの支援を提供している場合があります。

主なサービス内容

Language Training(語学教育): LINC(Language Instruction for Newcomers to Canada)プログラムで、英語またはフランス語の無料授業を受けられます。レベル別にクラスが分かれ、CLB(Canadian Language Benchmarks)に基づいて評価されます。週5日・1日3〜5時間の集中コースもあり、一部の機関では託児サービスや交通費補助も提供されます。

Employment Services(就職支援): カナダの職場文化に関するワークショップ、履歴書(カナダ式)の添削、模擬面接、求人マッチング。カナダでは「Canadian Experience」(カナダでの職歴)がないと採用されにくいという壁があり、Settlement Servicesではメンタリングプログラムや職場体験(Work Placement)で、この壁を乗り越える支援を行っています。

Housing Support(住居支援): 住居の探し方、賃貸契約の読み方、テナントの権利に関する情報提供。直接的に住居を提供するサービスではありませんが、地域の住宅事情やシェルターの情報を案内してくれます。

Community Connections(コミュニティ接続): 地域のイベント、図書館、医療機関、学校への橋渡し。孤立しがちな新移民にとって、地域社会との接点を持つ入口になります。

主な提供機関

全国に約500以上の団体がSettlement Servicesを提供しています。代表的な機関は以下です。

  • COSTI Immigrant Services(オンタリオ州): トロント最大級の移民支援団体
  • S.U.C.C.E.S.S.(ブリティッシュコロンビア州): バンクーバー拠点。中国語・韓国語・日本語での対応実績あり
  • Immigrant Services Association of Nova Scotia (ISANS)(ノバスコシア州)
  • Centre for Newcomers(アルバータ州カルガリー)

IRCCのウェブサイト(ircc.canada.ca)でサービス提供機関を検索できます。

日本人永住者の利用状況

正直なところ、日本人永住者がSettlement Servicesを積極的に利用しているかというと、あまり多くはありません。英語力がある程度ある状態で渡航する人が多いこと、日系コミュニティの情報網がある程度機能していることが理由です。

しかし「カナダの職場文化」「履歴書の書き方」「テナントの権利」に関するワークショップは、英語力に関係なく実用的です。特に日本からの転職で「カナダでの最初の仕事をどう見つけるか」に苦労している人にとって、就職支援プログラムは利用する価値があります。

税金で運営されている以上、永住権保持者には利用する権利があります。「自分には関係ない」と決めつけず、最寄りのSettlement Service機関に一度足を運んでみるのは合理的な選択です。

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