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Express Entryで落ちてもPNPがある——州推薦プログラムというカナダ移民の裏口ルート

カナダのProvincial Nominee Program(PNP)は州ごとの人材ニーズに合わせた移民プログラム。Express Entryとの連携・各州の特徴・申請の流れを在住者向けに解説。

2026-05-16
PNP州推薦移民永住権

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カナダの永住権を目指す人の多くが、まずExpress Entryに目を向ける。CRS(Comprehensive Ranking System)のスコアで順位がつけられ、上位者から招待(ITA)が届く仕組みだ。しかしCRSのカットオフスコアは500点前後まで上がることがあり、年齢・学歴・英語力で高スコアが出ない人にとっては厳しい壁になる。

そこで注目されるのがPNP(Provincial Nominee Program)——州推薦プログラムだ。

PNPの仕組み

カナダの各州・準州が「この人材がほしい」と推薦するのがPNPだ。推薦を受けると、Express EntryのCRSに600点が加算される。600点加算されれば、ほぼ確実にITAが届く。

つまりPNPは「Express Entryの裏口」ではなく、「州の人材ニーズとマッチすれば優先的に永住権が取れる正規ルート」だ。カナダの移民の約3分の1がPNP経由で永住権を取得している。

州ごとの特徴

Ontario Immigrant Nominee Program(OINP): カナダ最大の州オンタリオのPNP。Tech DrawではIT人材を優先的に招待する。トロント・オタワで働くIT系の日本人にとっては最も現実的なルートのひとつだ。

British Columbia PNP(BC PNP): テック産業に強いBC州は「Tech」カテゴリで毎週抽選を実施。バンクーバーのテック企業で働いている場合、CRSスコアが低くてもBC PNP経由で永住権を取れる可能性がある。

Alberta Advantage Immigration Program(AAIP): アルバータ州はエネルギー産業・農業・ヘルスケア分野の人材を積極的に受け入れている。生活費がBC州やオンタリオ州より安いため、「PNPで永住権を取ってからトロントに引っ越す」という戦略を取る人もいる(ただし州によっては居住要件がある)。

Atlantic Immigration Program(AIP): 大西洋側4州(ノバスコシア、ニューブランズウィック、プリンスエドワードアイランド、ニューファンドランド)は人口減少が深刻で、移民を積極的に受け入れている。必要なCRSスコアが他州より低い傾向がある。

申請の流れ

PNPには大きく2つのストリームがある。

Enhanced Stream(Express Entry連携型): Express Entryプールに登録済みの候補者が、州からの推薦を受ける。推薦が出ればCRSに600点が加算され、Express Entry経由で永住権申請に進む。処理期間は6〜8ヶ月程度。

Base Stream(非Express Entry型): Express Entryを通さず、州に直接申請する。処理期間は12〜18ヶ月と長いが、Express Entryの要件を満たさない場合でも申請できるケースがある。

在住者として知っておくべきこと

PNPの招待枠は州の予算と連邦政府の配分で決まるため、年によって大きく変動する。人気のストリームは数時間で枠が埋まることもある。

ジョブオファー(雇用主からの正式な雇用証明)があるとPNPの選考で有利になる州が多い。ワーキングホリデーやPGWP(Post-Graduation Work Permit)で就労中の人は、現在の雇用主にスポンサーを依頼できるか確認する価値がある。

移民コンサルタント(RCIC=Regulated Canadian Immigration Consultant)に相談する場合は、CICC(College of Immigration and Citizenship Consultants)に登録されていることを確認する。無資格のコンサルタントによる詐欺被害は少なくない。

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