ロジャーズとベルの寡占——カナダのスマホ代が高い構造的な理由
カナダのスマートフォン料金は先進国の中でも高い水準にある。ロジャーズ・ベル・テルス3社が市場を支配し、競争が起きにくい構造だ。格安SIM・MVNOの現状と、在留外国人の節約策。
この記事の日本円換算は、1CAD≒113円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
「カナダのスマホ代が高い」という話は、来る前から耳にしていた。実際に契約してみると、思った以上だった——という声は多い。
数字の現実
OECDの調査では、カナダの携帯電話通信費は先進国の中でも最高水準のひとつとされる(比較方法によって順位は変わるが、一貫して「高い」国として上位に来る)。
スタンダードなプラン(データ10〜30GB・通話込み)で月50〜80カナダドル(約5650〜9040円)が一般的な水準だ。日本のキャリアプラン(月3000〜5000円程度)と比べると2〜3倍になる。
なぜこんなに高いのか
カナダの通信市場はBig 3(Rogers・Bell・Telus)が事実上支配している。それぞれが傘下のブランドを持ち(ロジャーズはFido・Chatr、ベルはVirgin Plus、テルスはKODO・PublicMobile)、形式上は競合しているように見えるが、同じ3グループ内だ。
広大な国土をカバーするネットワークインフラの建設・維持コストが高い——というのが業界側の主張だ。同時に「競争が少ないから値下げのインセンティブがない」という批判が続いてきた。
2023年のロジャーズによるShaw Communications(カナダ西部の通信会社)買収は競争当局が条件付きで承認したが、業界の寡占化に対する懸念は残っている。
格安SIM・MVNOの選択肢
在留外国人にとって現実的な節約策がいくつかある。
PublicMobile(テルス系):データ専売プランが安め。プリペイド型で月15〜30カナダドル(約1695〜3390円)から使えるプランがある。長期割引制度もある。
Lucky Mobile(ベル系)・Chatr(ロジャーズ系):エントリープランが安め。
Freedom Mobile:大都市圏に対応したMNOで、Big 3より安い傾向がある。ただしカバレッジが限られる地域がある。
国際ローミングが高額になるため、日本への一時帰国時は一時停止(サスペンド)するか日本でSIMを別途入手する方が経済的なことが多い。
データSIMの使い方
Wi-Fiが充実している都市部では「低容量データ+Wi-Fi」という組み合わせが節約になる。コーヒーショップ・図書館・大学のWi-Fiを活用しながら、外出中の通信量を抑えるスタイルだ。