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政府に「あなたの未受取のお金」が眠っているかもしれない——カナダの忘れられた残高

カナダには受け取られないまま政府や金融機関に保管されている資金があり、本人が検索して請求できる仕組みがある。なぜお金が宙に浮くのか、その背景と確認方法を読み解く。

2026-08-18
未受取資金銀行お金制度生活

この記事の日本円換算は、1CAD≒114円で計算しています(2026年6月時点)。為替は変動するので、現地通貨(CAD)の金額を基準にしてください。

カナダには、持ち主に渡されないまま宙に浮いているお金がある。長く放置された銀行口座の残高、換金されなかった小切手、忘れられた保険金。こうした資金は持ち主が請求するまで保管され続ける。その総額は相当な規模にのぼると報じられている。

驚くのは、それを本人が検索して請求できる公的な仕組みがあることだ。自分や家族の名前を入れて、心当たりのないお金が眠っていないか確認できる。タンス預金ならぬ「忘れられた口座」探しが、制度として用意されている。

なぜお金が宙に浮くのか

理由はいくつもある。引っ越して住所が変わり、小切手や通知が届かなくなる。口座を持っていたことを忘れる。本人が亡くなり、家族がその存在を知らない。少額だと「まあいいか」と放置される。

カナダは移民と移動の多い国だ。人が国内外を頻繁に動くほど、連絡が途切れ、お金と持ち主がはぐれる確率は上がる。社会の流動性の高さが、忘れられた残高という副産物を生んでいる。流れる水ほど、よどみに何かが取り残されやすい。

一定期間で「休眠」扱いになる

カナダの仕組みでは、一定期間動きのない口座などは「休眠(dormant)」扱いになり、金融機関から中央銀行のような機関へ資金が移される。そこで持ち主が現れるのを待つ。持ち主や相続人が請求すれば、原則として受け取れる。

つまりお金は消えるわけではなく、検索可能な状態で保管され続ける。これは持ち主の権利を守るための制度だ。ただし請求には本人確認の手続きが必要で、すぐに振り込まれるわけではない。

在住者が確認しておくこと

カナダに長く住んだ人、過去に口座を作って解約し忘れた人、家族にカナダで暮らしていた人がいる場合は、一度検索してみる価値がある。カナダ中央銀行(Bank of Canada)が、未請求残高(unclaimed balances)を検索できる公的なサービスを提供している。名前で照会できる。

引っ越しのたびに金融機関へ住所変更を届け出る、使わない口座は放置せず解約する——こうした地味な習慣が、自分のお金を宙に浮かせないための防御になる。お金は持ち主のもとに戻る仕組みがある一方で、戻すには本人の一手間がいる。その手間を惜しまないことが、流動的な社会で資産を守るコツだといえる。

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