仕事・キャリア
国境労働者(グレンツゲンガー)——フランス・ドイツ・イタリアからスイスに通勤する30万人
スイスには毎日フランス・ドイツ・イタリア・オーストリアから通勤する「国境労働者(Grenzgänger)」が約35万人いる。この制度の仕組みと、外国人在住者への影響を解説。
2026-04-21
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この記事の日本円換算は、1CHF≒175円で計算しています(2026年4月時点)。
スイスの朝7時、バーゼルの国境で車列が続く。フランスのアルザス・ドイツのバーデン地方からスイスへ通勤する人々だ。彼らは「Grenzgänger(グレンツゲンガー)」——国境通過者と呼ばれる。
2023年の統計では、スイスに毎日通勤する国境労働者は約35万人(連邦統計局)。スイス全就労者の約6%を占める。
Gパーミットの仕組み
国境労働者はスイス政府発行の「Gパーミット(国境労働許可)」を持つ。居住地はスイス国外で、週に最低1回帰宅することが条件だ。
主要な送り出し地域はフランスのオート=サヴォワ県・アン県(ジュネーブ・ローザンヌ周辺)、ドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州南端(バーゼル周辺)、イタリアのコモ・ヴァレーゼ(ティチーノ州向け)。
なぜ国境労働者を選ぶのか
理由は明快だ。フランスやドイツの居住コストがスイスより大幅に安く、スイスで働けば給与はスイス水準で受け取れる。バーゼルやジュネーブに勤める人が隣のフランス・アルザス地方に住むと、家賃が半分以下になることがある。
スイス在住外国人への影響
国境労働者の存在は、スイス国内の労働市場に影響する。EU圏の国境労働者が入りやすい職種(建設・医療・製造・サービス)では競合が発生する。
EU圏外国籍(日本人含む)のスイス在住外国人にとっては、採用の競合相手に「スイスに住まずにスイスで働けるEU市民」が加わることを意味する。特にEU加盟国のパスポートを持つことがスイス就職で有利な理由の一つがここにある。
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