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スイスの賃貸で釘を打つと退去費用が跳ね上がる——原状回復ルールの厳しさ

スイスの賃貸住宅は原状回復義務が厳格で、壁の釘穴すら退去時に修繕費を請求される。Abnahmeprotokollの読み方と退去時のトラブル回避法。

2026-05-28
賃貸原状回復退去住居トラブル

この記事の日本円換算は、1CHF≒170円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(CHF)の金額を基準にしてください。

スイスの賃貸物件に引っ越して最初にやりたいこと——壁に絵を掛けること。しかしその釘1本が、退去時にCHF 200(約34,000円)の修繕費になる可能性がある。

スイスの原状回復ルールは、日本の敷金精算の比ではない。入居時と退去時に管理会社の担当者が立ち会い、壁・床・設備の状態を「Abnahmeprotokoll(引渡検査調書)」として詳細に記録する。指先でなぞった傷まで記載されることもある。

入居時のAbnahmeprotokoll

入居時の記録が退去時の基準になる。既存の傷・汚れは全て入居時に記録しておかないと、退去時に自分の責任にされる。

具体的にやるべきこと:

  • 全ての部屋を写真撮影(日付入り)
  • 壁の傷、床の汚れ、設備の不具合を全て記録用紙に記入
  • 記入漏れがないか確認してからサインする
  • サインした書類のコピーを必ず保管する

管理会社が「問題なし」と口頭で言っても、書類に書かれていなければ証拠にならない。

退去時に高額請求されやすい項目

項目修繕費の目安
壁の釘穴(1カ所)CHF 50〜200(約8,500〜34,000円)
壁の塗り直し(1部屋)CHF 500〜1,500(約85,000〜255,000円)
床の傷・凹みCHF 200〜800(約34,000〜136,000円)
キッチンの油汚れCHF 100〜400(約17,000〜68,000円)

壁の塗り直しは、スイスでは「通常の使用による劣化」と「借主の責任による損傷」が明確に区分されている。入居期間に応じた減価償却(Amortisation)が適用され、長く住むほど借主の負担割合は下がる。一般的に、壁の塗装は8年で全額償却される。

トラブル回避のポイント

退去日の2〜3カ月前にプロの清掃業者(Reinigungsfirma)を入れるのが定番だ。費用はCHF 300〜600(約51,000〜102,000円)程度だが、自分で掃除して不合格になるよりはるかに安全だ。

Mieterverband(借主協会)に加入しておくと、退去時のトラブルで法的相談を受けられる。年会費はCHF 70〜100(約11,900〜17,000円)程度。高額請求を受けた際の交渉で元が取れることが多い。

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