出国時の税務——スイスを離れる時に発生する税務手続き
スイスを離れる場合、年の途中での住民登録抹消・未申告税の精算・第3柱年金の引き出しなど複数の税務手続きが必要。出国前に確認すべき事項を解説。
この記事の日本円換算は、1CHF≒175円で計算しています(2026年4月時点)。
スイスを離れる決断をした後、やることリストは長い。賃貸解約・引越し手配・送別パーティ——その裏で、税務の手続きもきちんと整理する必要がある。
住民登録の抹消(Abmeldung)
スイスを離れる前に、居住カントンの住民登録局(Einwohnerkontrolle)で「住民登録抹消(Abmeldung)」を行う。出国予定日と転出先の国を届け出ることで、居住者としての義務が正式に終了する。
この手続きをしないと、スイス在住者として税金の請求が続く可能性がある。
出国年の税金
Cパーミット保持者(確定申告義務あり)の場合、年の途中で出国すると「当年分の税金(1月〜出国日)」を申告する必要がある。
源泉徴収対象(Quellensteuer)のBパーミット保持者の場合は、天引き済みの税が原則として出国時点で精算される。過不足が生じた場合は還付または追加徴収の通知が届く。
第3柱年金の引き出し
スイス出国時は、任意年金(Säule 3a)口座の全額引き出しが可能だ。残高に対して引き出し税(Kapitalauszahlungssteuer)が課されるが、通常の所得税より税率が低いケースが多い。
カントンごとに引き出し税率が異なり、ツーク州(低税率)とジュネーブ州(高税率)では差がある。
BVG(第2柱)企業年金
退職に合わせてBVGの脱退給付(Freizügigkeitsguthaben)が「自由通過口座(Freizügigkeitskonto)」に移管される。スイス出国後に日本等に転居した場合、この口座の資金を引き出すことができる(ただし引き出し税が発生)。
出国1年前から税理士に相談を始めておくと、手続きをスムーズに進めやすい。