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ルツェルン——観光都市で暮らすことの光と影

ルツェルンはスイスで最も観光客が訪れる都市の一つ。美しい景観の裏側にある在住者の苦労——観光客の混雑・物価・住宅不足の現実と、それでも住み続ける理由。

2026-04-23
ルツェルン観光都市移住生活

この記事の日本円換算は、1CHF≒175円で計算しています(2026年4月時点)。

ルツェルンはスイスで最も写真映えする都市の一つだ。カペル橋(Kapellbrücke)・ビアヴァルトシュテッタ湖・ピラトゥス山とリギ山に囲まれた旧市街——アジア系・欧米系の観光客が年間700万人以上訪れる。

そこで暮らすとどうなるか。

観光地化の影

夏の週末、ルツェルン旧市街の橋の上は写真撮影待ちの観光客で埋まる。地元の人々は混雑を避けて午前7時前か夕方以降に旧市街に出る。

土産物店が増え、地元向けの普通のスーパー・薬局・文房具店が減った。住民サービスのための商業が観光向けに置き換わっていく問題は、ルツェルンに限らずスイスの観光地が共通して直面している。

住宅の競争

ルツェルンは住宅市場が厳しい。人口約8.3万人の都市に対して、短期賃貸(Airbnb等)の需要が長期賃貸の供給を圧迫している。空き室率が低く、良い物件は内見の翌日には埋まることも珍しくない。

賃料水準はチューリッヒよりやや安く、2LDKで月CHF 1,800〜2,500(約31.5万〜43.8万円)が現実的な範囲だ。

住み続ける理由

「なぜルツェルンに?」という問いへの答えは明確だ。チューリッヒへ電車45分・ベルンへ電車1時間の立地でありながら、湖と山に囲まれた自然の中で暮らせる。通勤しながら山岳環境の恩恵を受けられる数少ない場所だ。

観光の喧騒を「自分とは無関係のレイヤー」として割り切れる人は、ルツェルンという選択を長く続ける。

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