スイスの薬局文化——処方箋なしで買える薬と医師の代わりに相談する文化
スイスのApotheke(薬局)は医師の代わりとして機能することがある。処方箋なしで購入できる薬の範囲と、薬剤師への相談文化を解説。
この記事の日本円換算は、1CHF≒175円で計算しています(2026年4月時点)。
スイスでかかりつけ医(Hausarzt)の予約が取れるまで2〜3週間かかることはよくある。そういうとき、多くのスイス住民が最初に向かうのは薬局(Apotheke)だ。
薬局で相談できる範囲
スイスの薬剤師は高度な専門資格を持ち、軽度の症状(風邪・軽い感染・皮膚症状・胃腸障害など)への対応を薬局内で行う権限がある。
処方箋なしで購入できる薬(OTC医薬品)の範囲も広い。鎮痛剤・抗炎症薬・抗菌クリーム・尿路感染症の一部治療薬まで、日本では処方箋が必要な薬がスイスの薬局では棚に並んでいることがある。
相談は無料で、薬剤師は10〜15分かけて症状を聞いて薬を提案する。必要と判断すれば医師を紹介してくれる。
薬の価格
スイスの薬は高い。パラセタモール(アセトアミノフェン)500mg/20錠がCHF 4〜8(約700〜1,400円)、抗アレルギー薬で CHF 15〜25(約2,600〜4,400円)が目安だ。
医療保険(KVG)のフランシャイズ(自己負担額)を超えると保険適用になるが、年間フランシャイズがCHF 300〜2,500(約5.3万〜43.8万円)と幅広く、軽度の薬は実質全額自己負担になることも多い。
Migros・Coop内のドラッグストア
大型スーパーのMigros・Coopには「Migros Medic」「Coop Vitality」といった薬局併設コーナーがある。処方箋医薬品も扱え、夜間・日曜も営業している店舗があり便利だ。
日本の薬をスイスで手に入れる
日本から持ち込める医薬品は原則として3ヶ月分まで(個人使用の範囲)。ロキソニン・第一三共胃腸薬等の日本の市販薬は、スイスの薬局では手に入らない。
チューリッヒ・ジュネーブには日本食料品店があり、日本製の栄養補助食品を扱う場合がある。医薬品については、必要なものは一時帰国時にまとめて持ち帰るのが在住者の定番スタイルだ。